[携帯モード] [URL送信]

半透明な居候。
ローデリヒさんから

「じゃあ、お着替えも済んだ事だし、ローデリヒさんに挨拶しなくちゃ!」

「罰ゲーム中なんです!」

「ふふ、大丈夫よ似合ってるから」


そう言われて案内された屋敷の中は、広いし煌びやかな雰囲気なのに、どこか寂しげで。
ずらりと並ぶ肖像画のせいか、

「お前んち、おっばけやー…」

「失礼な方ですね」

憮然とした表情で、廊下に居たのは眼鏡で生真面目そうな青年だった。

「あ、どうも居候です」

「…知ってますよ、エリザから聞いています。どうやらあのお馬鹿さんのお知り合いのようですが、おつむは大分マシな様ですね」

ギルベルトさんは何かとても酷い事でもしたのだろうか。

「すみません、実に恐れ入りますが…居候させて頂きます」

「かまいませんよ、屋敷は広いですからお手伝いさんとしてなら。……フェリシアーノだけでは手が足らないでしょうし」

先ほどから気になっている、フェリシアーノさんの名前。

「あの、フェリシアーノさんって…もしかして、ふわふわしてる前髪くるんの男の人ですか

もしかして、知り合いが居るのかも!と淡い期待で尋ねてみるとローデリヒさんは首を傾げた。

「いいえ、確かにあの…ふわふわしてますし、前髪はくるんとしていますが……屋敷に居るのは女の子ですよ」

あっれ〜?


「それと、私はともかくとしてもう一人にも挨拶を……と、思いましたが彼も多忙でして。まぁ追い追いでいいでしょう」

「分かりました、そして何をしましょうか!」

思えばアーサーさん家ではあんまりお手伝いとかさせて貰えなかったし、これはこれで楽しい。

「そうですね…では掃除でも」

「はい、わかりました!」

ちょっとルンルンしながら、ゴミ袋片手に歩き出すと、さっそくゴミに遭遇して拾う。どうやらボロ布のようだ。

「あー…、居候さん?それは」

「はい、ゴミですよね?」

「わ、私の下着です」


顔を赤らめながら、俯くローデリヒさん。
今すぐ消えたい衝動に駆られた居候。


そして息を荒げながら、カメラのシャッターを切るエリザ。


そんな事を経ながら、居候はローデリヒさんの家に居候させていただく事になりました。



[*前へ]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!