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短編小説
優シク、ダマシテ。
微妙にBL表現有り。
苦手な方はバックプリーズ!!





『優シク、ダマシテ』

幼なじみの章にいきなり、キスされた。

訳も分からないまま、またキスされた。

凄く優しくキスされた。


と思ったら、今度はその場に押し倒された。


「章…?」
と名前を呼ぶと

「雪。」

俺を呼んでまたキスした。


何でこんな事になったんだ…。
さっぱり、分からなかった。


その始まりはつい3時間前の話にさかのぼることになる。



――――最近、章の様子が変だ。

何時もベタベタしてくるのに、ここ一、二週間は冷たい態度だ。

『まさか、毒キノコを食べたのか!?』


と思った俺は探ってみることにした。
まず出始めに

「なぁ、章。そういや付き合ってる彼女とはどうなんだ。」と聞いてみた。唐突だけど・・・

答えは、
「別れた。」
とあっさり、ばっさりと切られた。


「あ、そ」
・・・・・・次の手段。

「じゃ、今日章の家行っていいか?」
「えっ!?・・っ何で?」


一瞬嬉しそうに見えたのは気のせい?


でも

「いや、今日の数学わからない問題あったから。」

「ふーん。じゃあ来れば。」
そう言ってさっさと行ってしまった。



……やっぱり章、どっかおかしい!!




勉強をしていても、会話はないまま。

「この問題わらんない。」

「ん?どれ。」

「ここ、……何?」

章は、ノートを見ずに俺の顔をじっと見ていた。
「何?俺の顔がどうしたっ……ん!?」



返事は無いかわりに、突然キスをされた。

振り出しに戻るが、幼なじみの章にキスされた。
優しくキスされ、押し倒され、一人パニックになっていた。



「しょ、う…?」




名前を呼んでも返事は無く、ただじっと見つめられていた。

ふいに、
プチ、プチと音が聞こえた。


「ぇ?ちょっ章、何してるの」

「何って、雪のシャツ脱がしてるの。」

「いやいや!ワケわかんないしっ」

「わからないの?じゃあ‥教えてやるよ。」



章はニヤリと妖しく笑い、俺にこう問い掛けてきた。
「雪ちゃん、今日は何月何日だ?」


「は?今日は4月1日、だけど?」

「うん。そうだね」

「それがどーし……あ…!!!」

「そう。今日はエイプリルフールです。
だからこれは…?」

「う、そ…??」

「イエスっ!」



う、ウソだと!!?
眩しいくらいの笑顔で『イエス』なんて言いやがって…。

ふ、
「ふざけんなぁぁーーーっ」


「そんなに怒んないでよ。ゆーきちゃん♪」



その言葉にムカッときた俺は、バカな幼なじみのみぞおちに一発食らわせた。


「痛っ。雪、手加減って知ってる?」

「知ってますけどっ!?つか、お前が悪いんだ!」

「でも今日エイプリルフ「知るかっ!このバカっ!!お前なんか大嫌いだぁっ」

言いたいことを言って俺は部屋を飛び出してやった。


「あ、雪!ノート…
(まいっか、明日で。
……大嫌い、か。
俺は大好きなんだけどな。)」


もちろん、
章の声はその時の俺には届かなかったわけで。
俺が章の気持ちを知ったのも、もう少し先の話だった。





end

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あきゅろす。
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