掃除は物事の基本
――ガタンッ
「あいたっ」
何かに躓いて私は倒れこんだ
持っていた書類の山が宙へと投げ出されてヒラヒラと舞う
ガラガラ
誰かによって部屋の戸が開かれると風が入り込み、書類の一枚が飛ばされる
「あっ!!」
私は慌ててそれをつかまえようとするが、他の書類で滑ってしまいまた床に頭突きをした
「……何してるんでィ」
顔を上げると声の主である総悟は呆れた様子で溜め息を付いた
「何って掃除にきまってるでしょ」
「掃除ねぇ…俺には散らかしてるようにしか見えないんですがねィ」
「何言って…!!私はちゃんと掃除を…」
回りを見渡すとけり倒されて崩れた荷物と書類の数々
誰が見ても掃除をしているとは言えない
「掃除を…していたんだけどなぁ。あはは。」
「名前、あんたって人は…ここまで片付けが下手な人は初めて見やした」
馬鹿にしているというよりは哀れみに近い声で言われる
「う…何も言い返せません」
私は片付ける事が大の苦手だ
片付けようとすればする程何故か散らかってしまう
それは頓所内の人なら皆知っている事
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