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しばらく無言のまま歩き続けていると、ふと前方に人の気配を感じた。
「誰かいるのか!!」
『え、人?』
そちらに向かって大声で叫ぶと、慌てた様子でこちらに駆け寄ってきてくれた。
「どうしたんだい!?」
声は女性。
「仲間が気を失ってさ……どこか休ませられる所に案内してほしいんだけど」
「わかった、アタシの村においで。ここからすぐだから」
そう言ってレイスが背負っているジューダスを抱えようとするが、やんわりと拒否する。
「いいよ、大丈夫。いくら小柄とはいえ、こいつ背負うのは女の子には難しいだろうし」
「何言ってんだい!アンタだって女の子じゃないか!」
「………」
『………』
(なんつーかもうイチイチ訂正すんの面倒くさくなってきたんだけど。でも、ここで言っとかなきゃ、後で更にややこしい事態になるし……明日から胸板見えるタイプの服にでも着替えるか?さすがにない胸見りゃ……おっとこれ以上は世の貧乳に悩むスレンダーな女性たちの反感を買いそうだからやめておこう)
「あー……先に自己紹介させてもらうわ。俺、レイス。ちなみに男だから」
「……えぇっ!男!?」
その反応についつい溜め息を漏らしてしまうレイス。
「ご、ごめん、てっきり、女の子だと……」
「いいよ、毎度のことすぎて慣れてるから。えーっと……」
「あ、アタシはナナリー。ホープタウンのナナリーさ。村はこっちだよ」
ナナリーに促されるがまま進み、そこから十五分ほど歩いた所に、小さな村があった。
中に入ると、盛大なお出迎えが。
「ナナリー姉ちゃんだ!!」
「おかえりー!早かったね?」
「ごめんね、皆。今は病人がいるから、後で……ね」
そう言うと子供たちは、ナナリーの後ろにいたレイスが抱えている二人に気付き、慌てて道を空ける。
「だ、大丈夫なの!?」
「お薬っ!!持って来なきゃ!!」
「気を失ってるだけだから、薬はいらない。軽く脱水症状起こしてるかもしれないから、できたら水を持ってきてくれないか?」
優しくそう言うレイスに、子供達は真剣な顔で頷き、
「分かった!お水だね?」
「あと……氷、あるかなっ?」
「探して来るよ!!」
走って行ってしまった。
「良い子たちだな……」
「だろ?アタシの自慢さ。さ、こっちだよ」
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