(シェイド、気を遣ってくれたんだな…)

いきなりふざけた感じに戻ったのは、暗い雰囲気を降り払うため……なんだと思う。たぶん。いや、きっと。シェイドってどこまで本気か分かんないからなぁ。
と、そんなことを考えている内に、甲板に着いた。モンスターと全然遭わなかったのはラッキーだったな。

「さって、こんな辛気臭いトコとはおさらばしますかっ」
「辛気臭いって……(汗)」
『さっきとはまるで別人のようだな……』

ディムロスもシェイドのこの豹変ぶりにはびっくりしてるみたいだ。俺だって、説得してきた時のシェイドは会った時とはまるで別人に見えたしな。

「スタン、速く乗れよ」
「分かった!」

そうして二人で乗り込んだ時。

「見つけたぞ!それを渡せ!!」

どこかから現われたモンスターが、一直線に飛び掛かってきた。

「誰が渡すかよっ!」

シェイドは自分も飛び乗って咄嗟に蓋を閉めるけど、モンスター仕掛けてきた攻撃がポッドを襲い、変な衝撃が伝わってくる。

「クソッ、操作レバーを壊されたか……。仕方ない。このまま落とすぞ!」

そして一瞬、浮遊する感覚。
さらっととんでもない事を言った気がして、とっさに何か言おうとした俺の口はシェイドの掌で塞がれた。

「落下時にかなり大きな衝撃がくる。喋ってたら舌噛んで死ぬぞ?」

そしたら、今喋ってるシェイドは危ないんじゃないのか?そんな俺の焦りを落下に対する恐怖ととったのか、シェイドは目許を和らげ安心させるように、でも確信を持った声で語りかけてきた。

「……大丈夫。無事に地上に戻れるさ」

そしてそれを聞いた直後に襲ってきた衝撃で、俺の意識は途切れてしまった。



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あきゅろす。
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