誰もが予想しなかったようでやっぱりこうなるのかと納得できる再会1
木の生えているところならどこでもよかった。
ダリルシェイドの平地なんて少し歩けば周りは森だらけ草花だらけ。探すまでもなくいくらでも大木を見つけることができる。
それでもここに足が向いてしまったのは、やっぱり思うところがあったんだろうか。
決して寂しくはない。
親しくなった街の人々や、いつ何時突拍子もない事をしでかす連れの存在は決して俺を退屈にはさせなかったし、むしろ感傷にひたる暇さえ与えてはくれなかった。
だけど、寂しくないわけじゃない。
誰もが誰かの代わりにはなれない。そんな当たり前の事を思い出させるくらいにはかつて一緒に歩いた仲間を想い、アイツらは今どうしているのかなあ何て考えてみたりもした。
だからわざわざこんな所まで来ちまったのかな。

「うん、これでいいや」

エミリオと初めて出会った森の、俺が十八年背を預けて眠り続けていた木。
そこだけ下草が変に潰れていたり生えていなかったりするから、紛れてしまってもすぐにわかる。良くも悪くも思い出の場所。

(若いわけじゃないけど、そんなに年輪重ねてはなさそうだな。幹がしっかりしてるし葉もかなり茂ってる)

木をぽんぽんと撫でるように叩いて、「よろしくな」と呟いた。
そんな俺を植物に話しかけるような寂しい奴だとかけらでも思った君は、後で鉄拳制裁加えてやるから覚悟しとけや。

「恐怖と共に消えよ、鳴け、極限の嵐……!」



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あきゅろす。
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