2 ふわふわとしていた意識がパッと霧散し、気がつくと緑に囲まれた森に一人で立っていた。 「あれ、ここ……」 どこか見覚えのある風景、そして雰囲気。 「……まさかここに戻されるとはな」 そこは始まりの場所で、シェイドが眠りについた場所で、そして再び歩き出した場所。 「世界も粋な事してくれるじゃん」 ふと、自分が何かを握り締めている事に気付き、そっと手を開く。 そしてそこにあるものを見て、シェイドは顔を綻ばせた。 「……お前も、帰って来てるんだろ?」 淡い海の輝きを放つその宝石を大切にポケットにしまいこむ。 「よし、探しに行くか!」 もう一度、この場所から歩き始めた。 時を同じくして巻き戻った世界では、一人の少年が緑に覆われた遺跡の巨大な木の根元で、『未来に出会った過去の仲間』と『初めての再会』を果たしていた。 「カイル……、っ」 「……リ、アラ……?」 その木の裏に、黒衣の少年の姿を見つけるのは、それから数分後の事。 さあ、君と共に生きよう。 この世界を。 [back][next] [戻る] |