２ 「だぁぁぁっ！！わぁかったよッ！やりゃあいいんだろうが！じゃんけんっ……」 ぽん 「………」 「………」 「………」 「……意外ね。アンタは一人勝ちするイメージがあったのに」 「俺、人生で一回も勝った事ないんだよ。コレだけは」 「弱点になるのかならんのかわからん急所だな。とにかくほら、とっとと殺れ」 「わざわざ丸めて渡して下さってどうもスイマセンね。えっと、“チェリク・タイムズ”？どう見てもパクりじゃん」 かさかさかさっ 「来たっ！味付けは砂糖と醤油とみりんだな！」 「ルーティ！マリー押さえてろっ！和風な味付けなんて想像したくねえ！！」 「オッケー！そっちも頼んだわよ！」 「だが今だに天井に貼り付いているが……届くのか？」 「大丈夫。俺パーティー内では、この騒ぎの中依然として起きる気配もなく転がってるスカタンと同じくらい背はあるから。どこぞの坊ちゃんと違って」 「ヤツの次は貴様を駆除した方がいいようだな。僕の心の平穏のためにも」 『って、ケンカしてる場合じゃありませんって！！』 「おっとそうだった。とはいってもな。やっぱ天井で殺るのはちょっと……」 『見上げればそこにヤツの残滓がある……のは些か気分が悪いじゃろうな』 「……落とす？」 「……しかないわね」 「……任せる」 「落とすのか？ならちゃんとキャッチするぞ」 「マリーはアタシに任せといて」 「うっし、んじゃ……」 そろり、そろり、 「……っ、頼むから落ちろよ？」 ぺしっ、ぺしっ かさっ ぺしっ かさかさかさ ぺし…… ぱたぱたぱたっ 「「「『『『！！？』』』」」」 「おおっ、跳んだなっ♪」 「キェェェェぇぇぇッ！！」 「ちょ……マジ怖ェ！！フィリアが嘘臭い祈祷師みたいになってるッ！！（汗）」 ぶうんっ！ 『フィリアっ！！わしを振り舞わすのは戦闘中だけにしてくれんかっ！？』 ぱたぱた……てんっ 「っ！おい、マズいぞ……」 「……ど、どした？」 「スタンの、頭……」 「「「………」」」 『『『………』』』 「キョァァァァぁぁぁぁッッ！！」 ぶうんっ！ 「ま、待てフィリアっ！！確かにチャンスではあるけど今それでヤツを殺ったらスタンのデコがカチ割れる！むしろ首ごと飛ぶっ！！」 「おいスタン！起き……いや、むしろそのまま寝ていた方が……」 『気付かせてあげないのが親切ってモンですよね』 『い、一体何事だ？』 「……やっほーディムロス。今アンタのマスターのアホ面したデコの上にちょっとサイズ大きめのヤツがいるのよ」 『ヤツ？……ああ、ゴキ、』 「それ以上言うな！！ここでは禁句なんだ！それがルールだ！！」 『え、いつの間に決まったの？』 「甘いわねアトワイト……ヤツは一匹出ると何故か近くにもう一匹出没する確率が高いという統計がとれているのよ」 『すっごく初耳ですけど……』 「今は視界には入って来ていないが、言葉にすれば現実になるというだろう。だから、こういう場合は口に出さないのが暗黙の了解だ」 『……千年の間にそんな新たな風習が生まれたのか』 「ウッヒャヒャヒャヒャァぁーーーッ！！」 『フィリアーーーッ！！』 「「「！！？」」」 「あ、スタンが危ないぞ！」 ぶんっ……ドカァッ！！ かさかさかさっ 「す、スレスレ……」 「……こんなトコで人死になんて冗談じゃないわよ」 『というか、この騒音の中でもまだ起きんのかコイツは』 [back][next] [戻る]  |
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