忘れ去られた言葉たち1
カチャリと重ね合わせた三本の剣が真っ直ぐに波打つ海へと向けられ、次の瞬間、眩いばかりの光が辺りを照らす。
それに呼応するように、穏やかだった海は突然に揺れを大きくし、突然に巨大な水柱が立った。
飛び散る水飛沫を避けるように顔前に揚げた腕を下げ、その視界に映ったものは、鎌首をもたげた巨大な海竜の姿。
それを見た直後の俺達のやりとりは、

「強そうな魔物だな♪」
「ソーディアンってこんな事もできるんだ?スゴいなぁ」
「アンタ達、緊張感ないわね……」
「……僕はもう疲れた」
「ため息つくと幸せ逃げるぞ。それでなくとも幸薄そうな人相してんだし」
「シェイドさん、占いできるんですか?」

こんなカンジだったりする。



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