「あの……もしかして、シェイドさんは私を庇って下さったんでしょうか?」
「さあね。アタシには何とも言えないわ。前に一緒に行動してた時も、シェイドってあんなヤツだったし」

口ではそう言いながらも、ルーティは何となく、シェイドのあの言動がフィリアを庇い、そしてリオンの壁を崩そうとしているものなのだと感じていた。
振る舞いは極めてふざけているようには見えるものの、スタンみたいな無知さは感じられないし、無闇に相手を傷付けるような言動もない。

「ルーティ、フィリア!船乗るってよ!」

電撃で逝ってるスタンを引きずりながら爽やかな笑みを浮かべて声を掛けてくるシェイド。傍らには、出発前だというのにぐったりとしたリオンの姿も。

「は、はい!今行きます!」
(ただのバカよりタチが悪い……ってね?)

シェイド達の所へ駆けて行くフィリアの背中を見ながら、皮肉にもルーティはそんな事を思っていた。それが、実の弟と同じ感想だとも知らずに。



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