命の重さ1
リオンとも(俺が謝り倒して)仲直りし、何とか砂漠を越えた俺達は、水夫達が運び出したと言う巨大な神像を追って、首都カルビオラの中央に建つストレイライズ神殿で聞き込みをすることに。
その結果。

「怪しいですわ……」

神官怪しい疑惑勃発。
ぶっちゃけここの会話に加わる気はないんだよな。

(……ん?あれは)

ちょっと気になる物を発見して、そちらに足を向ける。だってあまりに暇だ。

「お姉さん、俺の事占ってくれよ」

見つけたのは占い師。退屈しのぎにはもってこいだ。

「いいわよ。何を知りたいの?」
「俺の死期」
「……あなた変わってるわね。分かったわ」

ちょっと訝しげな目で見られたけど、占ってくれるみてーだ。手のひらとか顔見たり、水晶玉覗き込んだり。

「……あら、残念。全然見えないわ。あなたのこれからがどこまでも、どこまでも続いてる」
「………」
「よっぽど健康なのかしら?それとも、私の腕が落ちた?」

う〜ん、と悩ませてしまった。別にそんなつもりじゃなかったんだけどなぁ。
なんとか励まそうかと考えていると、後ろから声がかかった。

「……シェイド、何をしている」 
「あ、リオン。話終わった?」

振り向くと、ちょっと眉間にシワよせた坊ちゃんが立っていた。

「お前は人の話を聞く気はないのか?」
「えー、聞いてたって。神官が怪しいからきっとここに神の眼があるだろう、って訳でフィリアが先に視察に来た司祭のフリして泊まらせてもらって夜になったら中から鍵開けて侵入するか、今の内に仮眠とるぞ、スタン寝坊すんな、ってコトになったんだろ?」
「『………(全部当たってる)』」

ヘッ、俺の地獄耳なめんなよ。
事前に知識はあったとはいえ、齟齬がないようみんなの会話にもちゃんと耳をすませてた。

「俺、先に宿に戻るわ。さすがに砂漠はキツかったからな」

ヒラヒラ〜って手を振って、その場を後にした。

「どこまでも、どこまでも、か」

きっとそれは、永遠に等しい時間。

「さすがにキツいなぁ……」

あその呟きは、誰に聞かれる事なく、空へ消えていった。



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あきゅろす。
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