数日後、ダリルシェイドに着いた俺達は、ストレイライズ神殿での事態を報告すると、奪われた神の眼の奪還の任務を与えられた。
そして、港にいた水夫から手掛かりを聞き出し、今はカルバレイス行きの船の中だったりする。
そして俺は……。

「すげー!海だーっ!!海の真ん中にいるって俺!!」

初の船旅を満喫していた。

「シェイド、船乗るの初めてなのか?」
「これまでこいつがやってきた任務では、セインガルドから出たことがなかったからな。それ以前はたとえ船に乗っていたとしても記憶にはないのだから、実質今回が初めてなんだろう」

ってか、過去も乗った事ねーし。前この世界にいた時は、戦争中でそんなことしてるヒマなかったし、地球でも島国にいたわりには船に乗る機会がなかった。
青い空がスバラシイ!
俺が珍しくかなりハイテンションで甲板にいると、ふと視界にフィリアの姿が目に入った。

「どうしたんだよ、フィリア。なんか暗いぜ?」
「シェイドさん……」

あっれ、マジで何か悩んでるのか?

「私はやっぱり、付いて来るべきではなかったんでしょうか……」
「どうしたんだよ、いきなり」

船に乗る前くらいまでは、特にいつもとおかしい様子はないと思ってたから、何だかすごく心配になってきた。

「私は、何の力もありません。戦闘になっても、守られるばかりで……足手まとい、ですよね」

ああ、ちょっと前にリオンに言われた事気にしてんのか。

「何の力もない非力な奴がいても邪魔なだけだ、だったか?素直じゃねえよな、リオンも」
「え……?」
「言葉は悪かったけどさ、アイツなりに心配してたんだよ。フィリアのこと」

だって、ああ言った時のリオンの瞳には、フィリア蔑むような色はなかった。ただ純粋に相手のことを思いやって……って、ゲーム中のリオンって序盤こんな性格だったか?もっと陰険だったような印象が。

「それでも私は、力が欲しいです」

フィリアの強い言葉に、考え込んでた俺は顔を上げる。

「きっと見つかるよ。フィリアの『力』が」



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あきゅろす。
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