2 数日後、ダリルシェイドに着いた俺達は、ストレイライズ神殿での事態を報告すると、奪われた神の眼の奪還の任務を与えられた。 そして、港にいた水夫から手掛かりを聞き出し、今はカルバレイス行きの船の中だったりする。 そして俺は……。 「すげー!海だーっ!!海の真ん中にいるって俺!!」 初の船旅を満喫していた。 「シェイド、船乗るの初めてなのか?」 「これまでこいつがやってきた任務では、セインガルドから出たことがなかったからな。それ以前はたとえ船に乗っていたとしても記憶にはないのだから、実質今回が初めてなんだろう」 ってか、過去も乗った事ねーし。前この世界にいた時は、戦争中でそんなことしてるヒマなかったし、地球でも島国にいたわりには船に乗る機会がなかった。 青い空がスバラシイ! 俺が珍しくかなりハイテンションで甲板にいると、ふと視界にフィリアの姿が目に入った。 「どうしたんだよ、フィリア。なんか暗いぜ?」 「シェイドさん……」 あっれ、マジで何か悩んでるのか? 「私はやっぱり、付いて来るべきではなかったんでしょうか……」 「どうしたんだよ、いきなり」 船に乗る前くらいまでは、特にいつもとおかしい様子はないと思ってたから、何だかすごく心配になってきた。 「私は、何の力もありません。戦闘になっても、守られるばかりで……足手まとい、ですよね」 ああ、ちょっと前にリオンに言われた事気にしてんのか。 「何の力もない非力な奴がいても邪魔なだけだ、だったか?素直じゃねえよな、リオンも」 「え……?」 「言葉は悪かったけどさ、アイツなりに心配してたんだよ。フィリアのこと」 だって、ああ言った時のリオンの瞳には、フィリア蔑むような色はなかった。ただ純粋に相手のことを思いやって……って、ゲーム中のリオンって序盤こんな性格だったか?もっと陰険だったような印象が。 「それでも私は、力が欲しいです」 フィリアの強い言葉に、考え込んでた俺は顔を上げる。 「きっと見つかるよ。フィリアの『力』が」 [back][next] [戻る] |