ただいまとおかえりと1
帰ってきました久々ダリルシェイド!!このどことなく都会な雰囲気が懐かしい……。

「って、無駄に感傷に浸ってる場合じゃないし」

早く行かないとリオン達出発しちまうよ。
俺は、王城までの道程を急いだ、ってかむしろ走った。

「シェイド=エンバース、ただ今ソーディアン護送の任から帰って参りました。取り急ぎ王に謁見を願いたい」
「……シェイド様!?ご無事だったんですか!!」

やっぱし既に伝わってたか。どうするよ、第一声何言うべきだよ。

「ああ、何とか生きて帰って来れたよ。それより、リオンどこにいるか知らないか?」

謁見の許可が下るまでの間に、近くの兵士に聞いてみる。話が伝わってるなら、心配してるだろうからな……主にシャルが。

「リオン様なら、賊の討伐にハーメンツへと向かわれましたが……」

何ですと!?もう行っちまったのかよ!
俺早く帰って来たイミないじゃん!!
……と、勢い余って声に出さなかっただけ立派だ。偉いぞ、よく我慢した、俺。

「そ、そっか、ありがとう……」

とりあえずとっとと報告終わらせて、ハーメンツへとリオン追っかけに行きますか。
と思っていると、なんだか背後から危険が近付いて来ているような気配がした。そして、全身に衝撃。

「シェイド―――――ッ!!!」
「うわあぁっっ!」

何かに思い切り抱き締められた。

「よくぞ無事だった!よく帰って来た!!」
「イ、イスアード様、ちょっと落ち着いて!」

背後から近付いて来た危険な何かは、イスアード様だった。
あの手合わせをして以来、俺は七将軍―――特にイスアード様にとても気に入られてる。何かの折りにつけて剣を交えてくれたり、食事に連れて行ってくれたり、遠征帰りには土産物をくれたり(何しに行ってんだよ)。

「飛行竜が墜落し、乗員が全員死亡と聞いた時、どれほど心が痛んだことか……。今までどうしていたのだ?」

ちょっ、泣かないでくれよ、イスアード様!ヤベーって、すっごい人目引いてるから!!七将軍泣かせたとかそんな噂流されたら困るから!!

「その件も全部、王の前で報告させていただきますって、……頼みますから落ち着いてください(切実)」

そして俺はイスアード様をひっぱりながら謁見の間に急いだ。

「おぉ、シェイド!よくぞ無事に帰って来た……!!」
「大変ご心配をおかけいたしました。シェイド=エンバース、ただ今帰還いたしました」

国王の前で膝をつく。顔を上げて見ると、なんともほっとした表情をしていた。ほんとこの国の王は優しい人だよな。

「今回の任務の報告を致します」

そしてこれは、どんなに辛くても、避けては通れない事だから。俺が背負わなくちゃならない事だから。俺は、飛行竜での事の顛末を話した。



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