『シェイド、どうしたんでしょうね……』

普通に話していただけのはずが、いきなり様子が変わったような。その切っ掛けが何なのか、全く分からないのだが……。

「……僕は何か怒らせるようなことを言ったか?」
『とんでもない!いつもの坊ちゃんからは考えられないくらい優しかったですよ!!』

シャル……それは僕を褒めているのか?

『あ、もしかしたらシェイドも有り得ない坊ちゃんの素直な言葉に驚きすぎて思考回路がストップしちゃったのかもしれませんね』
「……今日は随分とよく喋るな。もし黙れないようなら僕が自らお前の口を閉ざしてやろうか?」
『………』

結局、分からないまま、明日になればいつものシェイドに戻っているだろうと結論付けて、ベッドに入った。
実際次の日には、昨日の動揺は何だったんだというくらいいつも通りだったので、あの時のことは意識の隅に追いやってしまった。



―――もしあの時、少しでもシェイドを問い詰めていたら、僕の……僕達の未来は少しでも変わったのだろうか。



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