心に刻む近い1
「…ぅ……ん……」
僅かな光の眩しさに、覚醒を促される。
何だか、夢を見ていた気がする。温かいものに包まれて、守られているような……。
「あ、起きたかリオン!」
起きた?ということは、僕は今まで寝ていたのか?
というか、なぜシェイドがここにいるのかが分からない。昨日は確か、王から任務を言い渡されて、森へ行って……!
「おい、あのモンスターはどうなったんだ?!」
「うわぁっ!寝起きに大声出したら血圧上がる…気がするぞ?」
いきなり飄々と意味の分からないことをほざいている。
なんだか、シェイドが……吹っ切れた顔をしているのに気付いた。昨日まではどことなく一線を引いた話し方しかしなかったのだが。いや、これはどちらかといえば諦めたというか……。
「あそこにいたモンスター達はあらかた倒したけど、俺的判断によるとたぶんあれはまだ一部だと思うんだよね〜。
だから、連れてきてた兵士達に応援の要請を求めにダリルシェイドに戻ってもらった。アイツらも結構クタクタみたいだったからちょうどいいだろうなぁ〜って思ってさ。
んで、ここにいる理由は、どっかの坊ちゃんが毒食らってるっぽいってシャルが言うから、とりあえず解毒!って思ったんだけど、タイミング悪いことに雨が降り出しやがってさぁ。
とりあえず俺達の頭髪の将来を心配して、ここに雨宿りしにきたってわけ。
……んじゃあこれまでのことを正式な報告としてもう一度復唱すべきでしょうか?たいちょー」
「……もういい。分かったからもう黙れ。報告は国王の前でいい」
敬礼するシェイドを横目にため息をついた。
コイツ……こういう奴だったのか……。
「はぁ……」
先が思いやられる……。
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