任務内容は、最近アルメイダ付近で頻繁に報告されるようになった大量のモンスターの討伐。
少し前までは街道を通る旅人が襲われる程度だったのが、村の中までやって来て被害を及ぼしているらしい。
相手の数は、報告されているだけでも五十はいるとのことで、兵士を四人ほど連れて発生源と思われる森へとやって来たのだが……。

「ウソつけーーーッ!!どう見積もっても倍はいるじゃねぇかよ!」

そう、俺達は約百近くの魔物に囲まれていた。しかも種別問わず、獣から虫から爬虫類っぽいものまで勢揃い。

「……してても嬉しくないっての!どうせなら万人に喜ばれる物を用意しろっ!!」
「何を一人でゴチャゴチャ言っている!!」

思わず脳内中継にツッコミを入れたところ、リオンからの怒声がとぶ。わお、これぞダブルツッコミ。(激しく違います)

「わーかってるよ。働きますって……。おい、お前ら!」

大量のモンスターを前に固まっていた兵士`sがいきなり声を掛けられてびくついている。いやぁ仮にも一国を守る兵士がそんなんでいいんですか?

「リオンはフォローらしいけど予定変更!二・二に分かれて俺達のフォローについてくれ」

言いながら、俺はさっそく敵の中に飛び込んで行く。それを合図に他の連中も攻撃を始めた。

「なるべく一人にはなるな!少しずつでいいから確実に撃破していけ!」

攻撃の手を休める事無く指示をとばしていく。うん、皆、俺の言う事聞いてくれてるっぽいじゃん。

「マズいと思ったらすぐに俺の所に来い!絶対に深追いだけはするなよっ!!」

こちらの腕が良いのか俺の指示が良かったのか(←自惚れすぎ)、順調に敵の数は減っていった。だがそこで、気が緩んでしまったのだろう。

「うわあぁぁぁっっ!!」

リオンの方についていた兵士の悲鳴が響いた。

「クソッ……どうしたっ!!」

慌ててそちらへ駆け寄ると、兵士二人共が浅からぬ怪我を負って蹲っていた。

「すみ…ません……。油断して……」
「いいよ、よくやった。それよりリオンは?」
「リオン様は向こうでお一人で……」

そう言って指差した方向には、まだ結構な数の敵がいる。これは速く駆け付けるべきか……。
でも、リオンだからなぁ……。大丈夫だろ。

「わかった。お前達は残りの兵士と合流後、ダリルシェイドに戻って援軍を呼べ。……おそらく、モンスターはこれで全部じゃない」

俺の言葉に顔を青くする。俺は彼らにあるだけのグミを渡して、再びモンスターに向き合った。

「シェイド様はどうなさるんですか?!」
「俺はリオンと合流後、すぐにこの場を離脱する」

後ろを振り返って、ニッと笑ってやった。

「……心配すんな」

だが俺は、この時の判断が甘かった事を思い知ることになる。



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