仮面の下の冷たい炎1 ヒューゴ邸で世話になりはじめて五日たった今日、初めての任務が王より言い渡された。 しかも良いのか悪いのかリオンと一緒の。 「失礼ながらセインガルド王。今回の件は私一人でも十分だと思われます」 そして案の定リオンには良い顔はされなかった。しかも拒否られるという寂しさ。その上、すっげぇ眉間にシワよせて。 「Σ酷ぇよ〜!そこまで嫌がんなくてもいいじゃん…」 「うるさい。国王の御前だぞ」 そういうお前も命令拒否は失礼だろっ、て言葉は出そうになっても飲み込んで我慢する。 いや〜胃に悪そうだ。 「今回はシェイドの実力を測るためでもあるのだ。もし何かあってもリオンなら対処できるであろう」 ってアンタら、俺とイスアード将軍の手合わせバッチリ覗いてただろうが。今更実力もクソもあるかっての…っていうのもおくびにもだすことなく我慢する。 うぅっ、胃に穴が…パワハラで訴えてやる。労災はおりるのか? 「んじゃ、メインは俺でリオンがそのフォローって事なんですか?」 「そうだ。これは既に決定した事。出向いてくれるな?」 穏やかに聞いてくるけど、俺達に反論する術はない。というか逆らったら後が恐そうだ。 「「わかりました」」 従ってお互いに、うなずくしか道はなかった。 [back][next] [戻る] |