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そしてやってきましたセインガルド首都ダリルシェイドの王城内謁見の間。しかも国王と七将軍勢揃いだし。
「そなたか、ソーディアンの声が聞こえるというのは」
どうしてこんなクソ面倒くせーことに……。
だあぁもうヤケクソだっての!!
もはやノリと勢いだけで、とりあえず王の前で跪き頭を深く垂れた。
「こんな身分の怪しい者の突然の参上お許し下さい。確かに私は彼のソーディアン・シャルティエの声を聞くことができるようです」
いきなり変わった俺の話し方に、リオンとシャルはかなり驚いているようだ。
そりゃそっか。かなり砕けた話し方してたし、ふざけたことばっかしてたからアホだと思われてたんだろうな。
でもそこまで引かれると俺の繊細なガラスのハートは傷つくぜ……ごめん、今のは俺も寒かった。
「剣を帯しているようだが、腕に覚えはあるのか?」
だが、それまでの俺を知らない国王は普通に話を進めていく。うーん、どうするかな。素直に話すべきか……。
「大変申し上げにくいのですが、私は彼と出会ったあの森に入るより以前の記憶の大部分を失っております」
うわ、言っちゃったよ。リオンとシャル、ますます驚いてるよ。
「モンスターや賊に遭遇した際に、僅かながら剣を嗜んでいたことに気付き、生きてゆくのに必要最低限の知識も残っておりましたので、護衛剣士として路銀を稼ぎながら過去の自分の足取りを追おうと思っていた次第で……。そういうわけでして、自分の腕が一体どこまで通用するのかは把握しかねます」
我ながらよくもここまで嘘八百並べ立てて言い切った!もうさぶいぼ状態だぜ…。
こんな怪しい奴はすぐにでも解放してくれ。いや、怪し過ぎて拘束されるのは勘弁だが。
しかし、現国王はなかなかの兵だった。
「ならば、そこにいるリオンと手合わせしてみてはどうだ」
オーマイガッ!!……いや、無宗教だが。
リオンとはできうる限りお近付きになりたくないんだよな……。コイツの悲しい未来を知っちまってるし。
というわけで、あえてこう言ってみた。
「国王陛下、できれば別の方と手合わせ願いたいのですが」
それに眉をしかめたのはリオンだった。
「なぜだ。まさか僕では役不足だとでもいうのか?」
『シェイド、坊ちゃんはかなり強いよ。なんたって僕のマスターだからね』
なんかこの二人似てるなぁ。俺に馬鹿にされたと思ってつっかかってきてるよ。
「お前が弱いと思っている訳じゃない。むしろ良い戦いができると思う。だけど、今は別に剣を交えたい方がいらっしゃるので……」
そういって俺は、ある男の前まで歩いて行き、再び跪いた。
「無礼を承知で申し上げます。貴方と手合わせ願えないでしょうか」
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