序
“じゃあ今度の日曜開けといてやらァ”
大好きな大好きな想い人、沖田総悟からの初めてのお誘い
いつも私のことお昼のパンを買わせて(言わばパシり)、終いには“もっと早く来れねぇのかィ、ったく豚はトロくせェ”とか言いやがる
…っていっても顔は満更でもなさそうなんだけどね
『っはぁ…もう最悪』
なんやかんや大好きな総悟から誘われちゃ…
『…お姉ちゃん、もう眠いよ』
『ちょ、まだ寝ちゃ嫌だ!あ、このスカートとこの…』
『……ぐー』
そりゃ気合いも入るもので、今日の為に昨日から(誘われたのが昨日)夜更かしファッションショー
妹も途中からダウンで、1人鏡の前に立ってた私なのだけども
それが裏目に出たか、見事に寝坊しました
“9時に集英公園の時計台の下な”
私の家から集英公園まで10分かかって、しかも時計台まで5分はかかる
…無駄に広い公園だよ本当
なのに今、8時55分
『しかもこんなときに限って携帯の電池が切れるのは何故!?』
とりあえず使えない携帯をカバンに入れ、ダッシュ
『(…怒ってたらどうしよう)』
走りに走って公園が見えてきた
―――その時
「うわあぁあ」
「っきゃあああ」
『……え?』
大好きな大好きな想い人、沖田総悟からの初めてのお誘い
いつも私のことお昼のパンを買わせて(言わばパシり)、終いには“もっと早く来れねぇのかィ、ったく豚はトロくせェ”とか言いやがる
―――ドン
雨が降ろうが槍が降ろうが、
どんなに紫外線が強くても、私は総悟と逢うんだ
『(こ、んなこと、で…)』
…この日は私にとって最幸で最悪な日でした
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