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D

銀ちゃんは横目で私の顔を見る

しかしその目はすぐにそらさた



「何?」


―――ズキッ





そんな何気ない仕草でも私の心は痛む



『あのね、帰るときついてきて欲しいんだけど…』

結構スラスラ言えたが内心は心臓が早い

……銀ちゃんついてきてくれるかな





しかしそんな期待はすぐに消された




「……やだ」

『……え』

「だからやだって言ってるの、多串君にでも頼めば?」

『なん…で?』





銀ちゃんはどんなに嫌でもいつもは面倒くさそうにOKしてくれるのに

……しかも



『なんでトシがでてくるの?』

「…お前あいつのこと好きなんだろ」

『え?』
銀ちゃん何言ってるの…



「今日だって多串君と一緒に帰ってきてただろ」

『っ!あれは…』






言いたくない…

ストーカーのことは絶対に言いたくない


「…なんだよ」



不機嫌そうに私を睨む




「っ…でも本当にそんなのじゃないから!」

そんな銀ちゃんの目が嫌でつい叫んでしまう

「……もういいわ









クビね」

『…え』

「飯は全然甘くないし…


っかよぉうざいんだわ…無理して笑ったりして…」


頭をかきながらソファから立つ


「無理して笑うぐらいなら多串君のところいけば?」


銀ちゃんは部屋から出ていこうとする






待ってよ…

今言わないと一生言えない気がする





『ぎっ…銀ちゃん!私は銀チャンのこ「もう本当に迷惑だわ…



出てけ、もう一生くんな」

 


――今までお世話になりました

あれからダッシュで万事屋をでていった

「玉緒?どうしたアルか?」





出る寸前神楽ちゃんに呼び止められたが聞こえないフリをして出てきてしまった


「次は〜駅、〜駅」


電車からおりるとちょっと肌寒かった


――お前クビね




『………』

――っかよぉお前うざいんだわ





『……っ』

――本当に迷惑

『っ……銀ちゃん…』



目から大量の涙がでてくる



家につく頃には涙は止まっていた


『……ただいま』




誰も居ないが言うのが私の習慣


まず台所に向かおうとしたが





『………?』

どこか違和感がある

……泥棒?

はっと思って通帳がある寝室へ行く


『……あった…』


ほっとしてベッドに倒れ込む


お金がなきゃ銀ちゃんの所に行けない




あ、でももう来るなって言われてたんだっけ…?


私は再び泣けてきた

『…銀ちゃん…逢いたいよ』

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