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第7話 “知らない”
「柑名ー、遅刻するわよ?」

『…今行く』




ゆっくり制服を着てゆっくり階段を降りる




「何やってんのよ、総悟くんと一緒じゃないの?」

『…行ってくる』




勿論、総悟と一緒なワケがなく…


いつもと30分遅くして家を出た







「おはよう柑名ちゃん」

「おはーアル!」

『おはよう妙ちゃん、神楽』




教室について周りを見渡す






『(……居ない)』



私の方が家出るの遅かったのにまだ総悟は来てない



『彼女、ね…』



好きな子かいるなんて、聞いたことなかったのに



頼りになれないと思われたのかな





「何考えてんだ」

『…完璧自分の世界に入ってた』



朝のHRが始まってトシは私の前に座った


…トシなら、知ってるかも







『ねぇ』

「あ?」

『総悟の彼女って誰?』

お、瞳孔がいつもより開いたぞ




『知ってんだ?』

「知らねぇよ」

『知ってんでしょ』

「なにこのデジャヴ感」



なんだかキュって胸が締め付けられる




なんなの…

『……』

「柑名?」

『教えてよ…』





泣きそうな声が出た




結局トシは最後まで“知らない”っていった







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