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第6話 ゆめ
「柑名ー、ちょっと下来なさいよ」

『なにー?』


お母さん…?
それに私?


なんだか幼いような…



「こんにちは、柑名ちゃん」

『こんにちは、あの…』

「隣に引っ越してきた沖田と申します


ほら、あいさつ」





そう言って沖田さんに背中を押されてきた人はチラッとこっちを見た




そして

「沖田総悟でィ」









『…んー、夢?』

目を開けるとベッドの上



総悟が引っ越してきた初日の夢


あの頃はまだ無愛想で全然心を開いてくれなかった






『…懐かしい』

「何が」

一人だと思っていた部屋に夢で出てきた人




『い、つから…』

「ずいぶん前から…寝坊助な野郎でィ」


いつもと同じ声のトーン





『あの…』

「怒ってなんかねェや」

私の聞きたいことをズバッという



よかった、怒ってなかった



「ただ」

『ん?』

「これからは一緒に居るの、止めやしょう」





チクッ

胸の奥が痛んだ




『なんで…』

「柑名も俺と噂立つのいやだったろィ




それに…」



そ れ に ?



「彼女が出来たんでィ」






何かが崩れる音がした

 

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あきゅろす。
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