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第4話 至近距離
『ねぇトシ』

「あ?」

『総悟知らない?』




いつものように総悟と帰ろうとしたけど総悟がいないことに気付いた




「あー、聞いてねえのか?」

『なんもさっぱり』



頭を掻きながら目をそらすトシ


『…なに?』

「知らねぇよ」

『知ってんでしょ』

顔を近づけてトシを見る




「近ぇよ」

『言ってよ、じゃないと私…』

「何してんでィ」





“帰れないじゃん”



そういう前に総悟が現れた



『あ、総悟』

「…」

「ちょ、いい加減離れろ」

『どこ行ってたの』

「うるせェ」


いつもとは違う低い声


『…なんかあった?』




そんな総悟が心配になって肩に手を置こうとした


 



―――――パシンッ

『え…』

「さわんな」




総悟はカバンを取って教室から出ていった



『…なに、あれ』


振り払われた手は行き場が無くなっていた





「…鈍感女」

『なによ』



相変わらずトシと私は近いままだった




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