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第14話 ありがとう土方くん


『いやぁあああああ!!!』






身を縮めて思いっきり叫ぶ

身体が震える




イヤダイヤダイヤダ


「柑名…やっぱお前」




触らないで






『いや、だ…』

「総悟にされたんだろ」

『っひっく…うう…』

「柑名…」

『なんで…信じてくれないの…』

「?」

『わ、たしっトシとヤってな…』

「何言って…」

『ごめん…ごめんなさいっ』

「……」





無言で涙を拭き取ってくれる

無意識に身体が反応してトシの手にビクビクしてしまう



「…俺も、悪かった」

『え…』

「この前お前の気持ち利用して…無理矢理キスして」

『私も、それは悪かった、よ』

「俺のせいだ」

『違うっ…あの時総悟が彼女と一緒に居るの見ちゃって…』





ショックだったんだ
だって総悟の隣は私だったでしょ?





『殴ってでも記憶を消したかった』



でもそんな時、トシにキスされて


『一時だったけど私の記憶から総悟のこと消してくれたんだよ?』




涙を吹いてくれる手を握る





『これからずっとトシといれば総悟が消えてくれると思ってた』

「……」

『私…トシを利用しようとしてた』

「柑名…」

『ごめんな、さいっ』

「俺は柑名の力になれたか?」




ここで言わなきゃこの先ずっとトシに頼ることになる





言わなきゃ


『勿論…




それに私、おかげさまで気づけた』

「……」

『総悟にこんなことされたってまだ総悟と一緒に居たいと思うの…』



それはきっと…






『私総悟のことが好き』







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