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第10話 カーテン


『失礼しまーす』

「……」

『あれ?先生は…』

「いねぇな」




トシにおぶられて保健室に来たが先生が居ない





『待ってよっか』





私をベッドに降ろし椅子を持ってきて座るトシ




『球技大会やだな…』

「まだいってんのか」

『足引っ張るだけだもん』



そういって窓を見る



『――――…』

「?どうし…」









「これからは一緒にいるの止めやしょう」

「彼女が出来たんでィ」

「総悟の彼女って誰?」

「知らねぇよ」

「総悟は今日居ねぇよ」

「“彼女”のとこじゃねぇの?」









「見んなっ!!!」



トシに目を抑えられた衝撃で私はそのままベッドに倒れた







同時にカーテンを締め切った




『…なにいってんの』

「忘れろ」

『私の方が先に気づいたじゃんか』

「忘れろ」

『見ないことにするなんて出来ないよ…』

「…」




目に当ててるトシの手をとり、笑顔を作る



『彼女さん、可愛かったね』

「…笑えてねぇよ、ばーか」






ぎゅっと背中に手を回して抱き締めるトシ


「泣けよ」

『なんで』

「無理して笑うな」

『…っ…うぅ』




抱き締めてくれるトシの体温が暖かい


「柑名」


トシと目線が絡まる


そして段々近づいてくるトシの顔


『や、トシ…いっ!』


首に痛みを感じた








“所詮男と女の力の差”




なんて言うけど今のトシの力は本当に弱くて…






『ん…』


振り払おうとすれば出来る力だった






でもそうしなかったのは



『っ、はぁ…んんっ』







なんでだろう






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あきゅろす。
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