中編
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4.過去の美化はやめてくれる?
「まっ、まさか…」
「思い出した?」
「幼稚園の時に私の家の隣だった…幸村君?」
「まさか、赤也の言ってる子が名前ちゃんだったとはね。」
「気が強そうだったから、違うとは思ったんだけど。」と、奴はニコッと微笑みながら言った。思い出したくもない、暗黒歴史。
「なっ、なんで…」
「どうしてそんなにビクビクしてるの?」
「別にビクビクなんか!」
「そう?」
やだやだやだやだっ。
こいつが目の前にいるだけで、何されるか分かんなくて怖いっ!もうなんでもいいから逃げたくなってくる。
「ねぇ、名前ちゃん…。」
「はっ、はいっ!」
「今日は頼み事があって、来てもらったんだ。」
いや、ほぼ拉致られたという表現がかなり近いんですが。というか、なんでこっちに寄ってきてんのっ!お願いします、それ以上近寄らないでぇぇ。本当、私貴女が苦手なんです、悪魔に見えるんです、夜も眠れなくなるんですよぉぉ。
「マネージャーにならない。」
なんで疑問詞がないんですか。もう拒否権はこちらにないんですかぁぁ。あれ視界がなんだか潤んできた、おかしいな。とうとう、目にまで冷や汗がっ!
「拒否権とか「あったら怖くない?」
「ですよねー。」
「まぁ、俺達、昔仲良かったし、大丈夫だよ。」
どのへんがっ!あれで仲がいいと言えるんですかっ!
奴は私の肩に手をおくと、私の耳に顔を近付けた。
「名前ちゃんも、まだ生きたいだろ?」
「ぜひっ、やらせて頂きます!」
こうして私の地獄の学校生活が幕を開けた。明日から精神科に通おうかな…。
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