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01.沸き上がる


雨が降ってた。
ザァ―ってすごい音で。
一瞬だったって…聞いた。参列者の中をちらっと見ると、赤也がいた。俺が一番傷付いてるみたいな顔をして。私は殴りたくなったのを必死に押え込んだ。

親友が死んだのは、二日前。原付の免許をとった赤也と一緒にバイクに乗って、赤也がよそ見した時に対抗車線の車と衝突。

私は棺桶に入った彼女を見た。事故に合ったのに顔は綺麗で…、まだ生きてるって…嘘だって思いたかった。赤也と友達じゃなかったら、彼を思いっ切り責めれたのに。


-どうして、貴女は生きてるのっ!どうして、彼女は死んだのよ!貴女のせいなんだから!

って、泣きじゃくりながら言えたのに。私は拳を握ることしかできなかった。瞬間。私にある考えがよぎる。そうよ…彼女は死んだのにどうして彼は生きてるの?元はと言えば、彼のせいじゃない。

『憎い』

私の感情を表すには、一番それがぴったりだ。復讐してやろう、彼に。彼が一番傷付く方法で。お前の犯した罪は鉛よりも何よりも重いのだと分からせてやろう。

私は葬式には似合わない不気味な笑みを零した。これから起こることを考えて。

葬式から家に戻った私は、四月に担任から配布物で貰った入部届を取り出した。
今は、高校一年の九月だから入部するなんて変な時期だけど…構わなかった。

私は、ボールペンを走らせる。親に保護者印を貰うと、改めて見返した。

『男子硬式テニス部マネージャー』

クスっ、笑いが込上げる。アイツの苦しむ顔が私の脳内に浮かぶ。

「あー、楽しみだなぁ…。」

私の復讐劇が始まる。







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