営みの、理想と現実
嵐の中、薬局で買ったアレを大事に抱きしめ走りながら、僕はどうやってルルーシュを誘おうか思案していた。
でも結局、いい考えも浮かばないまま家に着いてしまったのだが――。
――まさか、
ルルーシュの方から『一緒に寝よう』なんて僕の所へ飛込んでくるなんて思わなかったよ、さすがに。
お兄ちゃんなんだから当たり前だろ、なんて澄ました顔で笑いながら胸の内では喜びのビックウェーブだ!
ルルーシュがこの腕の中に飛込んできてくれたことを、神様にも嵐様にも停電様にも感謝したいくらい、僕の気持ちもアッチも最高潮に盛り上がってる。
抱きたいって言ったら、頷いて首に腕を絡めてくれたから。
そして潤んだ紫の瞳で僕を見るから、
「ルルーシュ…!」
興奮して抱きしめたら、合わさった胸の心地好いムニュッとした感触に、もう一人の僕が一層元気になる。
相変わらずマシュマロ・タッチだ。
気持ちいい…
感情の高ぶりの侭に下半身を擦りつけてしまったら、僕の首に絡んでいたルルーシュの腕がパタリと落ちシーツを掴んだ。
身体にも力が入って、固まった気が。
あからさまにルルーシュのテンションが降下した気が。
‥‥‥アレ?
えーっと――
「ど…どうしたのかな?ルルーシュ」
「‥‥やっぱり怖い!」
擦りつけた、雄の象徴の質感や大きさに引いてしまったのだろうか。
比べる例の無いルルーシュは知らないだろうけど、多分予想してた大きさから容量オーバーしちゃったに違いない。
ただ…ここは本来、男的には自慢すべき所なんだけどな。
「…平気だよ?痛くしないから」
「そんなの、男のスザクには分からないだろ…!」
「優しくするよ!ガツガツしないってば…!」
「…だって…、赤ちゃんとか出来たら困るし…ブリタニアにいる姉上や兄上にバレたら」
「それは多分大丈夫だよ、アレ買ってきたから」
「アレ?」
キョトンと目を丸くして、ルルーシュは僕を見つめる。
通じないかも、とは思ったけど――やっぱりか。
男女関係の色恋沙汰には本当に疎い子だから、仕方ない。
…僕が遠ざけてきたんだけどね。
「‥‥ゴム」
「!!」
ジュースと一緒に冷蔵庫隠しておいて、飲む時に箱から出して持ってきた避妊具を見せた。
ルルーシュの仰天した顔…!
懐中電灯の明かりじゃよく分からないけど、真っ赤になってるんだろうな。
でも、無計画なエッチやその末の妊娠で傷つくのはルルーシュだ。
よく行く近所の薬局で買うのは僕だって相当恥ずかしかったけど。
そしてこんなモノ、君に見せてる今も恥ずかしいけど。
僕なりにベストなエッチを目指せてるもん。
きっと彼女には、こういう身体を繋げる行為に、『聖なる愛の誓い』みたいなイメージを持ってる、夢見少女がちな所があるんだろう。
でも実際は濃くてドロドロして、獣臭くて、愛で結ばれるだけじゃなく、純潔を奪う行為でもある。
それがまた、男にはたまらない甘露なんだけどもだ。
必死で守ってきた、妹ルルーシュの夢想をぶち壊しちゃうのが兄の僕だなんて。
なんて素晴らしくて、なんてイケナイんだろう。
「もしかして、嵐の中買いに行ったのって…!」
「うん、アタリ」
「じゃあ、お前が風呂に入る前から、こ…こういうコトする気だったのか!?」
「まぁ、正確には君が風呂から出てきた時に、我慢の限界が来た」
「…おまえ、『お兄ちゃんだから』とか言った癖に…!」
あはは、やっぱり突っ込まれたか。
だって咄嗟に安心させて自分のテリトリーに引きずり込まなきゃ、という自己中心的な欲に飲まれたんだもん。
「…狼の嘘。お兄ちゃんも、男なんだよ」
「足に当たるモノで分かるよ、バカ…!」
――嫌だ、と泣かれたら
僕は立ち止まってしまったかもしれない。
なのにルルーシュときたら、睨んでくるんだもの。
征服欲にまで火をつけられちゃ、僕だってもう退き下がれない。
‥‥啼かしちゃうよ?
「…もう、本当に限界」
「あ‥‥ッ!」
豊かなふたつの膨らみの天辺でツンと尖った先を、シャツの上から食らいついた。
するとルルーシュは無防備な吐息を漏らす。
もう片方も、人差し指でひっ掻いてやると固く目を閉じて長い睫を震わせた。
うう、可愛い…!
「やっ、スザク…!」
人差し指で、シャツの上から弾きながら、他の指を下から潜らせ、中指で撫でる。
「ねぇ、シャツの上から布が擦れるような感じと直接触るのどっちいい?」
「…っ!そんなの…知るか…!」
僕は勿体ぶって、シャツの上からしつこくルルーシュの豊柔を揉みしだいたり、敏感な突起を潰したりして、いたぶり続けていた。
――思う所があって。
あの、拳に怪我をした日の出来事。
クラスの男共の間で論争されてた、下品な話だ。
巨乳は乳輪がデカイとか何とか言いたい放題言われた事にも、ルルーシュに興味持たれてる事にも、頭にきてケンカした。
その日以来、ルルーシュの乳輪の大きさが気になって悶々としてきたんだよ。
まさかこんな形で確認できる日が来ようとは。
今、ここに明らかに――!
いっせー のー でっ!!
僕は震える手でルルーシュのシャツを捲った。
「‥‥はァァ!!」
「‥‥な‥‥に?」
ため息を漏らす僕に、ルルーシュは小首を傾げる。
「‥‥き れ い」
白いお椀にピンクの小さなサクランボがあしらわれたかの様な――なんて理想的な!
乳輪大きくない…!
僕的パーフェクト…!!
「ひぅ…!」
僕は本能の赴くままに、美味しそうな果実に吸いついた。
「そんなに吸ったって、何も出ない…っ!」
涙目で訴えるルルーシュが可愛くて。
口に含んだまま言葉を返す。
「わかっへるお」
「いやァ、分かってないぃ…!」
上擦る、舌足らずな声。
ルルーシュは首を振り、悶えて足でシーツを掻いた。
ガツガツしないとか
言っちゃったけど――
――撤回。
僕を離そうと肩を押し返してきたけど――解放してやるもんか。
もっと感じればいいんだ。
オッパイじゃないや、こんな凶器!
こんなに僕を惑わせて!
タップリ懲らしめてあげる
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