R-18部屋(文章)
Marionette(レクアズ)
ふわふわのスカートにひらひらフリル。膝丈のそれからは細い脚がすらりと伸びていて。
上半身も同様、ブラウスの襟元に結んだリボンと肩周りの大きなフリルが目立っていた。
「……ど、どうしたんだいアズリア……その格好……」
恥ずかしそうに俯くアズリアを目の前に、レックスはただ聞き返す事しか出来なかった。
「……罰ゲーム?」
「……悔しいがその通りだ……。くっ、この私があんなカードゲームごときに遅れを取るとは……!」
取り敢えず誰かに見つかってはややこしい事になる、と主張するアズリアの為に、二人はレックスの部屋に戻り小声で話していた。
彼女の話を要約するとこうだ。いつもの様に散歩していると、ソノラとファリエルの二人に出くわした。
この二人は最近何かと仲が良いらしく、その時も一緒に遊ぶところだったらしい。二人に半ば強引に誘われ、アズリアも一緒に遊ぶ事になった。
ゲーム自体は簡単なカードゲームだったのだが……
「……ソノラが『一番負けた人に罰ゲームを用意しよう』と言い出したんだ……」
一度誰かが何かを言い出したらそこは女のノリ、あれよあれよという間に決定してしまって。
アズリアとて、当初は負けるつもりなど全く無かった。罰ゲームの内容が「一番負けた人は二人の言う事をなんでも聞く」だったからこそ、さて何を命じようかなどと元軍隊隊長らしく考えたりもしていた。
……のだが。
みるみるうちにゲームはアズリアにとって不利な展開となり、気が付けば最下位。
おかしいな、こんなはずでは無かったと思った時には、いっそ胡散臭い程に笑顔全開なソノラとファリエルがいた。
二人がアズリアに命じた「罰ゲーム」とは……
「……その格好で俺に会って来いって事?」
「その通りだ……。付け足すなら、その時のお前の反応を報告しろ、とも言われた」
ふわふわの――要するにメイド服だ――が落ち着かないらしいアズリアは、もじもじとしながらあちこちに視線を動かしている。その顔は、既に真っ赤に染まっていた。
――いやそんな反応とか言われても。
そんな彼女に、レックスの脳内はオーバーヒート気味だった。
――そりゃあもう可愛い。可愛過ぎる。抱きしめてぎゅーってしたい。出来る事ならその先も。
あぁでもそんな事したら殴られるどころじゃ済まないな、下手をしたら紫電絶華か……
「……レックス?」
彼がぐるぐるとそんな事を考えているとは全く気付かないアズリアは、不安げにレックスを見上げた。
「……やっぱり……私にこういう格好は似合わないよな……?」
潤んだ瞳でぽつりと呟くアズリアを見た瞬間、レックスの中の何かがぷつりと切れて。
そして、
次の瞬間には、彼はアズリアを押し倒していた。
「こ……こら……レックス……!いきなり、何を……んぅ……っ!」
アズリアの抗議の言葉は深い口付けによって遮られる。舌を絡められ、強く吸われる度にびくん、と身体が疼いた。
甘い声が押さえされなくなる。
「……君が可愛すぎるのが、いけないんだよ」
耳元で囁かれ、ぞくりと震えが走った。
レックスはそのまま、アズリアの耳から首筋へと唇を移動し、舌でなぞっていく。服の襟元のリボンをするりとほどき、胸元をはだけさせていった。
「……や……っな、何して……ぁんっ……」
アズリアが抗議の声を上げる度、レックスは彼女の鎖骨に強く吸い付きそれを遮る。
服の上から胸を包み込み、そっと揉みしだいた。
「……ふぁ……んんっ……レ、レックス……」
「……服の上からでも感じる?」
「……や、馬鹿言う、な……っ…‥あ‥…」
言葉では抵抗してみるものの、身体の熱は止まらない。彼に付けられた首筋の印が、刺激を与えられ続けている胸が。
身体全体がさらなる快楽を求めて疼く。
「‥…レックス‥…も、やぁっ……」
もう堪えきれない。アズリアは瞳一杯に涙を滲ませながら必死に訴える。
そんな彼女をきゅっと抱きしめ、レックスはそっと囁いた。
「……して、欲しい?」
彼の言葉に、真っ赤になったアズリアは小さくこくりと頷いた。
「……んん…‥ふ……ぁん……」
甘く、優しいキス。舌を絡められる度に唇の隙間から甘い声がこぼれる。
アズリアにキスをしながら、レックスは空いている方の手で彼女のスカートの中に手を伸ばしていった。
たっぷりとしたフリルとペチコートをたくし上げ……その中心に、下着の上からそっと触れる。
「…‥ひゃぁんっ!!」
びくり、と反応するアズリア。彼女のそこは、既に下着越しでも分かる程に潤っていた。
「……アズリア、もうこんなに濡れてるよ……気持ちいい?」
「……ばかっ、言うなぁ‥…っ」
服はそのままに、レックスは器用に片手で彼女の下着だけを脱がしていく。
「……凄いよ……糸引いてる……」
「…‥やぁっ……」
アズリアのそこは、溢れ出した愛液が下着との間に透明な糸を引く程だった。
無意識に呟いたレックスに、アズリアは恥ずかしさの余り涙を零しながらふるふると首を振る。
いくら大好きなひとにだって、否、大好きなひとだからこそこんな姿は見られたく無い。
「……ゃ…‥レックス……やだ……っ!」
羞恥に泣きだしたアズリアを抱きしめたレックスは、どうにか落ち着かせようと口を開く。
「……アズリア……俺は、嬉しいよ?俺のする事に、君が感じてくれているのが。
二人で一緒に気持ちよくならなきゃ意味が無いから……」
この言葉にアズリアは、大きな瞳一杯に涙を浮かべながら、それでも頷いた。
それを見届けたレックスは満足そうに頷くと体を移動させ、彼女の脚の間に顔を埋める。そして、愛液が溢れるそこへそっと口付けた。
「……やあぁん……ッ!!」
彼女が感じてくれているのが嬉しくて、レックスは更に舌で愛撫を続ける。全体をぺろりと舐め上げ、隙間に舌を差し入れてくちゅくちゅと動かした。
その度にアズリアの身体はびくびくと反応して――
「…‥れ、レックス‥…ゃ、もう‥…だめぇ……っ!
……ぁ、ああぁんっ!!」
一際高い声を上げて絶頂を迎えた。虚ろな瞳で、はぁはぁと荒い呼吸を繰り返す。
レックスは、快楽の余韻に浸る彼女の髪を撫でてあげた。すると――
「……アズリア?」
肩で息をしながらも、アズリアはゆっくりと身を起こした。俯いたまま、真っ赤な顔でぽつりと呟く。
「……その……私から、お前にもしてやりたいんだ……。
二人で一緒に気持ち良くならなきゃ意味……ないんだろう?」
先程レックスが言った言葉を繰り返す。
アズリアの申し出に一瞬驚いた顔をしたレックスだったが、すぐにふわりと微笑んで返事を返した。
「……君のその気持ち、大事にしたいから……。頼むよ」
返ってきた暖かい笑顔と言葉に、アズリアの胸はどくんと大きく高鳴った。
「……ん‥…んむぅ‥…っ、はむ‥…」
「‥…あ、アズリア‥…っ」
舌を絡め強く吸われる度に、レックスの腰は快楽に震える。アズリアの奉仕は決して巧いとはいえなかったが、彼女が自分の為にしてくれる、それだけで彼にとっては十分だった。
今のアズリアは身に付けているメイド服とも相まって、正に「奉仕」という言葉がぴたりと当てはまる。
レックス自身がやったのだが――はだけた胸元とたくし上げたスカート、太股には先程の名残の愛液が伝っていて――着崩れたメイド服が妙にいやらしかった。
その視覚からくる刺激と彼女から与えられる快楽とで、レックスの意識はどんどん高みへと昇り詰めて行く。
「‥…ちゅぷ…‥んぅ、レ、レックスぅ‥…」
「――――ッ!!」
行為を続けるアズリアに甘ったるい声で名前を呼ばれた瞬間、彼は堪え切れずに果てていた。
腰がびくびくと震える度に、その先端からは白濁が溢れ出る。それらを全て口内に納め、アズリアはこくんと喉を鳴らし、レックスの精液を飲み下した。
「…‥ぅ‥…苦…‥」
「‥…アズリア……えっと…その……。
……ごめん」
目の前で自分のモノを飲んだ彼女に最速どう反応していいのか分からなくなって、レックスは取り敢えず謝ってみた。
それに対して、アズリアはきょとんとした顔をする。
「……何故謝る?私が、お前にしてやりたいと思ったんだ。
謝られる筋合いは無いぞ」
さもそれが当然といった言葉を、ほんのりと頬を染めながら言うアズリア。そんな彼女に愛しさがこみ上げてきて、レックスはそのままアズリアを抱きしめていた。
「……レックス」
そんな彼にアズリアもまた、甘えるようにそっと寄りかかる。
――誰よりも愛しいひと。笑いあうことも、生きていくことも。
快楽を得るのだって、ふたり一緒がいい。
「……挿れるよ?」
アズリアがこくりと頷いてくれたのを見届けてから、彼女の蕾にひたりと――一度吐き出したにも関わらず全く衰える気配の無い――自分自身を押し当てた。
「……アズリア…‥」
「……はぁっ、ぁ……あぁ――っ!!」
そして、彼女の呼吸に合わせて一気に貫く。
「……んんっ……レックス、レックスぅ……」
レックスが中を突く度に、濡れた音と共にアズリアから甘い声が上がった。
快楽に震えながらも彼の名を呼び、縋りついてくるアズリアに、レックスはそっとキスをして一層動きを速めていく。
「……あんっ…‥はぁっ、あ、‥…あぅんっ」
前戯が長かったせいか、互いに余裕が無いように感じられた。
彼女が嬌声を上げる度に中がきゅうっと動き、彼自身を締めつける。その快楽に、レックスもまた追い詰められていった。
「……ふあぁ、んぁっ、……も、もう…‥っ、あんっ……ぁっ……!」
「……っ、アズリア……俺も…‥っ」
限界を訴えるアズリアにレックスも頷いて、激しく挿入を繰り返し高みへと昇りつめていく。
「……はぁ、あ、あぁ、…‥んぁっ、あっ……レックス…‥んぅっ!」
甘い声を上げ続ける彼女に、その声すら自分のもの、と言わんばかりの深い口付けをして―――
「……ん…んんっ…‥ふぁっ、ぁ、あぁぁっ!!」
唇を解放すると同時に最奥を突き上げた。その瞬間にアズリアは絶頂を迎え、小柄な身体はびくびくと快楽に震える。
レックスの背に回されていた細い腕は離れたくないという彼女の意志そのままに、ぎゅっと強く縋りついた。
「…‥くっ……」
縋りつく腕以上に熱く絡みついてくる中の動きに、レックスもまた達していた。
咄嗟に引き抜こうとしたが間に合わず、そのまま彼女の中に熱を吐き出してしまう。
「……あ、熱ぅ…‥っはぁ、レックスぅ……」
下腹部に広がる熱に、アズリアの身体は無意識に震えていた。レックスは全て出し尽くしてからゆっくりと引き抜く。
「……アズリア……愛してるよ」
そして、再度口付けた。余りの快楽にか、行為の激しさ故か――おそらく両方なのだろうが――ぐったりとした彼女をそっと抱き寄せて。
慈しむ様に、その髪をいつまでも撫でていた……。
「……ごめん、アズリア……。服汚しちゃったね」
「……構わない。それよりも、あの二人に何と言えば良いのだ……。
まさか馬鹿正直に言う訳にもいかんだろう」
レックスに抱き寄せられたまま真っ赤な顔で呟くアズリア。可愛い。
そんな彼女に悪戯っぽい笑みを浮かべて、彼はこう言った。
「『アズリアはとても可愛くて、そして美味しかった』と俺が言ってた、って言えばいいよ」
END.
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