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マルコ×連載ヒロイン 不死鳥のヤキモチ**
今日は朝から敵襲があった。

早朝、まだ夜が明けきらない頃、私は久しぶりに早く起きれたので、甲板で冥刻と対話をしようと外へ出た。

すると遠くに、敵意を持ってまっすぐにモビーへ向かってくる海賊船が一隻。
不寝番のクルーはうたた寝でもしてしまっているのか、全く気付いていない様子だった。

各マストの帆の間に設けられている見張り台には、1,2人ずつの不寝番が居るはずなのだが、この時間帯が一番眠くなり、辛い時間だ。
私は死神化し、見張り台の所まで行くと、案の定みんな寝こけていた。きっと、“自分くらいは寝てても…”という気の緩みが招いた失態だろう。

(マルコ、怒るだろうな〜…。)


不寝番を起こして敵襲の報をして貰ったけれど、このまま待っている時間も惜しかったので、独り敵船へ乗り込んだ。

(初陣からそんなに経ってないのにまた独りで暴れられてラッキー!)

モビーのみんなが起き出して来る前に敵船を落とせば、後は起きて来た皆に任せ、マルコと遭遇する前に自分の部屋へ戻った。

(今会ったら絶対うるさいと思う。ほとぼりが冷めるまで大人しくしてよう…。)


船の片づけが終わった頃を見計らって朝食を摂りに食堂へ行けば、私が落とした船は予想以上にお宝も食料も貯め込んでいたらしく、それから一日上機嫌なクルー達からハイタッチを求められたり、肩や背中を労いの意味を込めて叩かれたりした。

マルコからも特にお説教も無く、「お疲れさん」と頭を撫でられていたんだけれど……。




「菜真絵、気軽に触らせてるんじゃねぇよい!」

夕食が終わる頃に隣から飛んできた言葉。

「なにが?」

「今日はベタベタクルーに触らせ過ぎだよい!」

「触らせるって…、別にハイタッチしたり肩とかに軽く触れられるだけじゃん?マルコみたいに抱きしめたりして来る訳じゃないし…。」

「あいつらだって下心はあるんだよいっ!」

「あはは、そんなの無いって。」

食後の紅茶を飲みながら目線も合わせずに話していたのだけれど、ふとマルコの方を見たら、すごい事になっていた。
眉間には深いシワが刻まれ、背中からはボボゥ!と蒼い炎が噴き上がり、目は光線が出るのではないかと思えるくらい鋭くなっている。

(…はは…、どうしよう。これ……。)

こうなった時のマルコは誰も止められない。
『三十六計(さんじゅうろっけい)逃げるに如(し)かず』という事で、急いで逃げの態勢に入ったけれど、腕をガシッ!っと掴まれて、そのままマルコの部屋まで連れて行かれた。

エースもサッチも、とばっちりはごめんだと目を逸らし、手だけ私に向かって振っていた。

「マルコー!明日一日は起きて来なくていいぞ〜!余っ程の事が無い限り仕事は俺らでやっとくから!」

「サッチの裏切り者〜!!!」





ドサッっといつもよりやや乱暴にベッドへ投げ出され、透かさず圧し掛かってくるマルコ。

「菜真絵は本当に自分の事を分かってないよい。言っても分からないなら身体に教えてやるだけだよい。」

そう言って早速服を脱がそうをするマルコに焦る。

「待って!し、シャワーも浴びてないし、今日戦闘したし!」

必死に抵抗しようとするも、着ていたシャツで両腕を頭上で纏められ、腕と頭の間に枕を差しこまれて腕を下ろせなくなった。足もマルコの膝で押さえこまれ、痛くは無いけれどびくともしない。

「菜真絵はバカだねい。恥ずかしがれば恥ずかしがるほどいぢめたくなるよい。菜真絵の匂いは何よりもいい匂いだよい。」

「マルコ、変た…ぅんんっ!」

「……んっ…はぁ、何とでも言えよい。」

ニヤリと笑ったマルコに、今夜は逃げられないと悟った。



――――――――――




「ぅんっ……マルコ……もうっ……」

「またイきそうなのかい?」


もう何時間経ったのだろう?
あれからマルコは指と舌で私を翻弄し、いつ終わるともなく攻められ焦らされ、私が音を上げる寸ででイカされる。
それをひたすら繰り返していた。



「んっ…ぁ…ぁん……い゛っ!?」

私の中に穿たれているマルコの指。それから与えられる快感だけを追い求めるようになっていた意識が、肩に走ったピリッとした痛みによって起こされる。

「安易に触らせたお仕置きだよい。」

マルコがカプリと私の肩に歯を立て、今度は癒すようにねっとりと舌で舐めている。

「んっ…、マルコ……。」

「菜真絵も考えてみろい。俺が他の女に絡まれ、撫で回され、俺がそいつらに向かって笑ってたらどう思うよい?」

言いながら私をうつ伏せにし、指をイけない程度のゆるゆるとした動きで動かしながら、背中に次々とキスマークを付けていく。

背中に走る微かな痛みが刺激となって、また私の中から溢れてマルコの指を滴らせていることが感じられた。


私は廻らない頭でマルコの言ったことを想像する。

「ゃだ…!っん……マルコが…他の女…人…んんっ!……やだっ!」

「泣くなよい。俺は菜真絵しか見てないよい。」

いつの間に涙が出ていたのか、仰向けにされ、慰めあやすように瞼にちゅっ、ちゅっ、っと優しいキスが落とされる。

「菜真絵、分かったらもう気安く他の奴らに触らせるんじやねぇよい?」

「ん……。」

「それともわざと触らせて俺を妬かしてるのかねい?「違っ!」…だとしたら、菜真絵は悪い子だよい。」


ニヤっと笑って嘯くマルコは違うと分かっててやっているらしかった。

「マルコ…意地悪……んぁあっ!?」

私の中に穿たれたままの指がグリッと奥を抉る。

「菜真絵、可愛いよい…。」


指を動かしながら私のそこに顔を埋めていくマルコ。

「もう、ぃヤ…!一人だけ気持ちイイのヤダっ…!」

「俺は菜真絵のイイ顔を見てるだけで気持ちイイよい…。それに、言ったろい?“お仕置き”だってよい。」

そう言って私の敏感な所に口づけ、舌で転がし、吸い付く。


「んっにゃあぁ!」

「ククッ…また軽くイッたねい?」


顔を上げて笑い、また埋めれば、まだまだ攻めるのを止めようとしないマルコの手と口。

まだ余韻の残る体を刺激されれば、ガクガクと腰が震える。

「菜真絵は口ではイヤがっても、ここは欲張りだよい。俺の指を締め付け、抜かせる気がないよい。それに、こっちは……いくら舐めとろかしても赤く熟れて、もっともっとと誘ってくるよい…。」

マルコは私が恥ずかしがる事が分かっていて、わざと言葉を選ぶ。

「マルコのばかぁ…。」

「…ああ、気付かなくて悪かったよい。ちゃんと胸も可愛がってやるから拗ねるなよい?」

「ちがっ!そうじゃな…っいぃぁあっ!?んっ…ふっぅんっっ!!」

私の足に添えていた方の手で胸を弄り始め、先端をクリクリと摘まみ上げる。



与えられる刺激が快感なのか、苦痛なのか段々分からなくなっていった―――。



――――――――――




私が何度か意識を飛ばし、朦朧としてきた頃、漸くマルコが入ってきた。

熱いくらいのマルコの熱に、愛しさと安心感、そして、焦らされ続けた焦燥がごちゃ混ぜになり、私の理性も吹っ飛ぶ。

本能のままマルコを欲しがり、与えられた快感に喜ぶ。

絶対にマルコにしか見せられない狂態だ。

「ふふっ…。」

「余裕だねい。どうしたよい?」

「マルコ、カッコいい…。」

私の上で動く妖しい肢体にしなやかな筋肉。
優しくて獰猛な瞳。
ちょっと過保護で焼きもち妬きだけれど、強くて温かい心。

さいげんなく私を求めてくる姿さえ愛しい。



そう伝えれば、「菜真絵は無意識で俺を煽る天才だよい。」と返され、激しく追い上げられ、私が果てそうになれば、ピタリと動くのをやめてニヤリと笑う。










2日後、正気に戻った私は、恥ずかしさと身体の痛みを前にして、激しく後悔することになる。


<おまけ>

「菜真絵、ア〜ンよい。」

「お粥くらい自分で食べられるよ…。」

「よいよい。声も掠れてるんだからあまり無理して喋るなよい。」

「誰の所為でっ!…ごほっごほっ!!」

「ほらねい。大人しくいい子にできないなら今夜も教え込まなきゃダメかねい?」

「っ!?」

「菜真絵、真っ赤になって可愛いよい。」

「過保護。色ぼけ。エロマルコ。」

「なんとでも言えよい。よいよ〜い。」

「(上機嫌がムカツク!)」




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椿様

リクエストありがとうございました!

R18でクルーに気軽にボディタッチされてるヒロインにマルコが嫉妬で甘くねちっこくしつこくヒロインが根を上げても解放しない感じな作品という事でしたが、気に入って頂けたでしょうか?
自分の中のリミッターをどこまで外せばいいのかすごく悩みました。
まだ手緩いと思われたら、ぜひご指摘を(笑)

瑛冬


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