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マルコ×連載ヒロイン オヤジ様の独白 side Newgate
4年前、マルコが突然船から気配を消したことがあった。

そして、一月半後に戻ってきたマルコは、俺に異世界へ行っていたと話した。

その世界には、この世界が物語として存在して、俺や赤髪、ロジャーが登場人物として出ていると言い、その世界で世話になった女から貰ったのだと、俺らしき人形と、モビーディックの模型を嬉しそうに見せたマルコ。

マルコは消える前と後では面構えが違っていた。
不死鳥の力の所為で若い頃から他人を頼らず、戦闘では先陣を切り、仲間を守るために自分を犠牲にすることを厭わず、そうして守られた仲間の心情など全く気付かないままだった。

しかし、異世界で何があったかは知らねぇが、戻ってきてからのマルコは頼るべき所は頼り、無闇に先陣を切らなくなった。


(グラララ、イイ女にでも会ったかァ?)


そして、その約一年後。
マルコが拾ったと言って連れてきた娘が菜真絵だった。
マルコと会った時とは風貌が違っていたとは言っていたが、イイ瞳をした娘だった。


いきなり会った俺に、「生きてて嬉しい」と泣き、隊長を務める程の手練れの息子達に囲まれた中で、俺に刀を突き刺す度胸も持ち合わせている。

(ああ、マルコの奴を変えたのはこの娘か。グラララ。)

そう思って独りほくそ笑んだのを覚えている。


菜真絵を娘にし、またモビーディックにイイ風が吹いた。
妹ができたことで、息子達の絆が増し、新しくできた息子エースも人に甘えることを覚えた。



それから、息子の裏切りをどうにかしようと独り奔走する娘。
マルコや俺には弱い所を見せながらも、心も情も強い娘は、息子の裏切りに俺が心を痛めることの心配までしていた。

(グラララ、俺はそんなヤワじゃねェぞォ!菜真絵。)

息子が裏切った時も、サッチの変わりに実を手にし、強い意志を瞳に宿していた娘。




―――――そして、今。

不寝番の息子たちが居眠りをし、朝飯を作る息子たちが起き出してくる前の、この静かな時間。
俺は久しぶりに朝日でも見るかと甲板へ出た。




なぁ、マルコ。
お前ェには内緒だが、俺があと20若かったら、菜真絵を娘ではなく、俺の女にしてただろうなァ。
だからマルコ、絶対ェ菜真絵の手を離すんじゃねェぞォ。

早く孫の姿を見せやがれ!アホンダラァ!グラララ!



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くー様

リクエストありがとうございました!
連載ヒロインでオヤジ様視点のお話という事でしたが、如何でしたでしょうか?
私もいつかはオヤジ様視点の話を書かなければと思っていたので、今回はオヤジ様の独白という形にさせていただきました。
気に入って頂けたら幸いです。

瑛冬


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