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Baby Phoenix Another Story
The Day 8-1
※ここからは1日置きの出来事となります。







「ねぇ、マルコ。降り掛かる火の粉は降り掛かる前に元を消化する方?それとも降り掛かってから払う方?」

「突然何だよい?」




モビーディック号8日目。



食堂でマルちゃんと、マルコ、エース、サッチ、私の5人でお茶をしていた時、ふと“視えて”マルコに質問する。

マルちゃんはサッチが作ってくれた大きなパフェを夢中で食べているため私の声は聞こえてないようだった。


「“火の粉”って意味分かるでしょ?これから何かあると分かってて、起こってから動くかその前に対処してしまうか訊いてるの。」

「ものに因るねい。オヤジに仇為すことならば元を断つが、そこまででないなら降り掛かってから払うよい。」

「確かにそうだよな〜。“火の粉”っつっても、俺達は海賊だからな。危険を好む場合もあるし。で、“火の粉”って何だ?菜真絵ちゃん。」


斜め前に座っていたサッチが興味津々で身を乗り出してきた。

エースは私の前の席でパフェの盛られたどんぶりに顔を突っ込んで就寝中。
マルちゃんが虎視眈々とエースのイチゴを狙い始めた処だ。



(マルちゃんがんばれ!)




「モビーがキィさんの島を出航してから、隣島の海軍支部から船が追って来てるのは分かってるよね?」

「ああ。偵察と警戒だろい?管轄の海域を出ちまえば引き返すだろうよい。」

「そうなんだけど。もし、モビーが他の海賊団に急襲されたとしたら、海軍はどう動くと思う?」

「漁夫の利を狙うだろうねい。」

「オヤジが危ねぇってことか!」

「白ひげさんなら大丈夫だと思うけど、事が起こりそうなのは今夜。」


マルちゃんが上手にイチゴを盗み、嬉しそうにパクつくのを微笑ましく見ながら話す。
本来ならばマルちゃんを諌めるべきところなのだけれど、相手はエースだし、マルちゃんの気配を消す訓練にもなるかと、何も言わなかった。



(寝こけてるエースも悪いよね。)




「(菜真絵、あーんよい!菜真絵にもあげるよい!)」

「マルちゃん、いいの?ありがとう。」


声を潜めてスプーンで掬った生クリームとイチゴを私に食べさせてくれたマルちゃん。
口に広がる絶妙な甘さと酸っぱさを堪能しながら、マルコ達と話を続けた。



「さて、どうしますか?1番隊隊長サマと4番隊隊長サマ。」


ニッコリと微笑み掛けると、目を合わせるマルコとサッチ。
きっと見聞色の覇気というもので会話しているのだろう。


(いいなぁ…覇気…。島に戻る前に教えて貰えないか頼んでみようかな?)





「菜真絵、火の元は何処に居るのか分かるかい?」

「今はモビー前方と後方で双眼鏡から見えない位置を保ってるよ。たぶん。」

「2隻か。」

「海軍船は後方8時の方向に居るのは分かってるよね?」


私の言葉にニヤリと海賊らしい笑みで答えたマルコは立ち上がり、サッチはエースをベシッ!と叩いて起こした。



「火消しに行くかねい。」




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あきゅろす。
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