おくらサマから(文)
波の音がする。
呟いた言葉にあたり、と返すと笑っているのか背中越しに振動が伝わってきた。
目の前に広がる夜の海は黒々と水を湛えて俺達を迎えてくれた。ああ久し振りだな、なんて思ってちょっと懐かしくなる。
寄せては返す波が浜辺に落ちたゴミをさらう。ころころ、遊ぶ石に交ざって鈍く光る鉄板が揺れた。
「なあ」
耳元で話し掛けられる。
ひどく穏やかな声だった。
「なに」
「これからどうする」
「んー…どうすっかな」
遠くへ行きたかった。
誰もいない、知らないところへ行ってしまいたくて、それはきっと逃げるわけではないのだ。
これはそう、新しい一歩。
首筋にこすりつけられる髪が擽ったい。案外指通りがよくて柔らかかった黒髪は今は血を吸って固まりべたついている。
多分俺もそうなんだろな。渇いた血が頬から剥がれ落ちて風に舞った。髪もきっと汚い色だ。父ちゃんがくれたあの温かい色じゃなくて、かといって母ちゃんのきれいな赤でもない。
少しだけ申し訳なく思いながらも背中の存在を感じると安堵した。
よかった、お前に見られてなくて、よかった。
「お前が今どんな顔してるのか当てようか」
にや、と嫌な笑みを浮かべながら俺の顔を覗き込む。見つめる黒い瞳は、けれどもう俺を写しはしない。
俺は負けじとにやりと口元を歪めて笑った。
ざぶん、と音がした。
「幸福だって、顔だ」
手を引いたのは俺、訴えたのはお前。どんなに離れていても俺を見据えたお前の赤色は詞よりも雄弁に俺に叫んでいた。
その瞬間走り出していた。仲間が何か言っていたけどただひたすらに、真っ直ぐに、俺は駆けてそうして。
本当に良かったんだな、と呟いた言葉に俺はもう一度あたり、と返した。
涙は出なかった。でもそれでも触れた掌があまりにも優しくて、震えた。
ああ俺は選んでしまった。
‐‐‐‐‐
と言うわけでおくら(元・梧)サマからいただいちゃいましたうへうへ←
ブログで「幸せなサスナルください」と嘆いてたらくださりました\(^o^)/
ありがとうございます!
しかし…
切 な す ぎ る … !
額当ても写輪眼(視力)も捨てて、過去と決別しなくちゃサスナルの幸せは手に入らないなんてそんなの切ないあああああ!←
知ってた。知ってたさ!
今のサスナルが幸せになるには…って考えたらきっとこんな感じになるんだろうなって予感はしてた。
してたけど、そんなサスナル考えらたくなくて敢えてスルーしてきたところをおくらサマが丁寧にたどってくださった気がします(ノ-;)←気のせい
うああ!
本当にありがとうございます!!
サスコナルについて語れるのはおくらサマだけだと思います←ナニソレ
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