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すよさんから♪(文)
『ふたつのかばん』

あのさすような夏の日差しがやわらげば冬まで一直線に寒くなっていく。金の髪の少年はそれがわかっているようでわからないようでいて、実はただ単に冬物を出すことがめんどくさいという理由から半そでにワイシャツという肌寒い格好で一日を過ごした。
はくしょん!と盛大にくしゃみをする。夕方は特に寒くなる季節である。あのうるさいぐらいの太陽は早くも沈み始めていて、寂しいくらいの空の色だった。

「おやじみたいなくしゃみだな。手で押さえるくらいしたらどうだ」
ボーっと空を眺めていたら向こうから自転車を引いて歩く少年に声をかけられた。その内容は酷く自分を馬鹿にされたような気がしてカーっとなる。自分でも悪い癖だと思うがつい反発の言葉を発してしまう。
「な…なんだってばよ。どうせお前のくしゃみは女みたいなんだろ!!」
その点で俺のくしゃみはなんて男らしいのかとうんうん頷く。
大きな声を急に出したから心臓が少しだけ早くなった気がする。だけど最近サイにもう一つの可能性を指摘された、けれどそれはあまりにも有り得ないことで信じられない、というより信じていない。なのに少しだけ胸がきりきりすることの理由は、今までそんな感情を理解したことなかったナルトにはわからなかった。

「お前は煩い奴だな、ウスラトンカチ」
黒髪が風で流れる、瞳が沈みかけている夕日で赤に染まる。ほんの少しだけ見とれてしまいそうになるのはなんでだろう。こんな気持ち、知らない。
「なーーっ!またウスラトンカチって言いやがったなスカシ野郎!!」
「あー煩い煩い」
「キィーーーー!!」
「ウスラトンカチめ」
「ぐっ…」

俺たちはいつも言い争いしかできなかった。
(もっと上手に喋りたいってばよ)
サクラちゃんとか、シカマル、キバ、サイたちとは普通に話せるのにこいつの前だといつもこうだ。
「はー、頭良くなりたいってばよ」
そうしたらもう少しはこいつとうまく話せるかもしれない。きっと俺が馬鹿だからコイツには上手く伝わらないのかもしれない、そう思っていたらついでた一言。
二人はちょうど校門まで来ていてバイバイを言う頃合いだった。サスケは自転車を引いて、ナルトはかばんをぶらぶらさせていた。

「そんなに補講が嫌なのか」
くっ…と笑って立ち止まるサスケにつられてナルトも立ち止まり僅かな身長差を睨みあげる。
なんだってナルトは自分がこんなにうちはサスケの一言に反発したくなつのかわからない。
本当に悪い癖だと思うのに止められなくて嫌味をまた一つ。
「天才なうちは様にはわからない辛さですよー」
「味わいたくも無いな」
ふんっ鼻をならしてそっぽを向く。
でも、確かにサスケは頭がいい。補講も生まれてこの方一度も受けたことがないだろうことがなんと羨ましい事。先生方の鬼の形相を思い出して少し身をすぼめる。
「あーいいなーサスケは補講受けたこと無いんだろ?イルカ先生も鬼になっちゃうし、カカシ先生なんて…」
「ははは、大変そうだな」

(きっと、)
きっと馬鹿じゃなければ同じ視線に立ってもっと上手に話すことができるはずだから、

「俺は別にいいと思うぜ、 ば か 」
「最後は強調しなくていいってばよ。はぁ…しばらくしたら中間あるし、嫌だってばよー」

あぁそうか、とつぶやいてサスケは空を見上げる。太陽の姿は後僅かにしかなっていなかった。
隣に居るナルトがなにやらテストに嫌な妄想をしてため息をついた瞬間にナルトの手からかばんをすり抜いて自転車のかごに突っ込む。

「いきなりなにするんだってばよ。びっくりしたってば」
そう言うナルトを無視してサスケは自転車にまたがってペダルに足をかける。それを見たナルトはサスケに慌てて言葉をかける。
「ちょっ…かばん返せってばよ」
ゆくりとペダルに体重をかけるとタイヤもゆっくりと回転を始める。心なしかいつもよりペダルが軽い物に思えた。

「俺ん家で勉強会だ。走ってついてくるか後ろに乗るかどっちかにしろ」
そう言われればナルトはのろのろ進みだした自転車に慌てて小走りして後ろへ身軽に飛び乗る。
ナルトの重みを確認した後で、ぐっとペダルに全体重をかける。かごにはかばんが二つ。後ろからはよくわからないナルトの声が聞こえてくる。全てを適当に交わして自転車を進める。既に太陽は沈んでいた。
ナルトはサスケの唐突な行動に驚き呆れていたが、自然と嫌なんて考えはでてこなくて少しだけ心が楽しみからかほんわかと暖かくなるのを感じていた。

(なんか楽しみだってばよ)


また日は昇るのだ。





‐‐‐‐‐
すよさんから頂きました(^q^)
奇跡のキリバン踏んで、チキンがだし汁吹き出しながらリクして、片恋で素直になれなくてヤキモキしてるナルト的な趣味モロ出しなリクだったにも関わらず、こんな素晴らしい姿になって帰ってきました(>∀<)vV
素敵過ぎて鼻血が止まらなかった(*´ハ`)←←

あらゆるところがツボ過ぎてぴゃぁぁってなった(ノ∀`)いけない!

実は両思いだとか本気ハゲ散らかすわぁ(^q^)←←




すよさん、本当にありがとうございました(ノ∀`。)

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