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しゅせサマから(文)
『In an emergency・・・』





昔、嫌なことをされてから男性が苦手になった。

そんなアタシに言わせれば男なんて最低な生き物で、絶対に好きになることなんてありえないと思っていたのに・・・。

高校の入学式のあの日。

今までの誰とも違う態度で接してくれたアイツに心を打ちぬかれてしまったのだ。



髪も目も黒いろが当たり前の日本人の中にいれば嫌でも目立つ毛色。

身体を流れる異国の血のせいか、他の女の子よりも発育よく育ってしまった身体。

そんな2つを持ち合わせていれば、嫌でも注目を集めてしまうということは、

16年間生きてきて、すでに知っている。

普通に歩いていても絶え間なく他人から視線を注がれ、特に男性からはそういう意味の視線を受けることが多々あった。

そのせいで中学校の時は女子から遠巻きにされていた時期があったから、

自分に不幸を運んでくる存在である「男」は苦手だったのである。



それなのに。

それなのに、アイツは今までの誰とも違う態度で接してくれた。

いや、「してくれた」というのは少し違うかもしれない。

心を打ちぬかれた、1年前のあの日から、影から観察してきたのだ。

アイツ―うちはサスケ―がそんな風に人を気遣える性格をしているとは到底思えない。

他人には全く興味がないようなアイツはただ単に、ありのままの自分でアタシに接してくれたのだろう。

だからこそ、こうやって男嫌いのはずのアタシが1年間も、密かに想いを温め続けているのだ。



今だって、うちはサスケのことを考えれば心臓がドクドクと勢いよく血を噴出し始める。

身体中が熱くなって、頬が熱を持つのが分かる。

1年間、恋愛ボケのフィルターをかけたかすみまくった目で見ても、アイツの他人に対する興味のなさは分かった。

それほど、周りに対する態度が冷たいのだ。

そんな氷のような人間に1年間も想いを寄せ続けているのだから、アタシも相当、どうしようもないのだろう。



あの日から1年。今日から無事、高校二年生になる。

始業式が始まる前の時間、教室に待機しているとき、アタシは今までにないくらい緊張していた。



1年の頃から変わってしまったクラスで、みんなが友達を作るべく、席を立って会話をしている。

普段なら、そこに自分から飛び込んでいるだろうアタシは大人しく自分の席に座っている。

席に座って、いつも以上に背筋を伸ばしていい姿勢をとった。



周りからも視線も感じるが、今はそんなことを気にかける余裕もない。

心臓が暴れて、今にも飛び出してきそうだ。

口の中が乾く。のどがカラカラだ。



それもこれも、みんな、後ろにいる“うちはサスケ”のせいだ。



去年、1年間、違うクラスということもあってサスケを観察するにはそこそこの距離があったのだ。

それなのに、いきなり、今日から同じクラス!!

そして心の準備が整わないまま入った教室で、自分の席を確認すれば、すぐ後ろにあの、あのうちはサスケがいるのだ!!



サクラちゃんが昔言っていた「男の子には姿勢のいい女子ってなかなかポイント高いみたい」という言葉を思い出して、背筋を伸ばす。

今までにこんなに姿勢良くしていたことが過去にあっただろうか?

それでも、少しでもサスケにいい印象を与えたくて頑張ってみる。

考えるだけでも心臓が暴れはじめるのだ、同じクラスになったからって声をかけれるなんて、これっぽっちも思っていない。

だったら、どうにかそれ以外のところで、少しでもいい印象を残したいと思うのは当たり前のことだろう。



(でも、アイツって他人に興味ないから、目の前にいるアタシにも気が付いてないかもしれないってばよ・・・)



それはそれで悲しいが、サスケに見られていたらそれだけで爆発してしまいそうだ。

初めてする「恋愛」とはこんなに大変なものだと、少々情けないことを思ってしまう。



“うちはサスケ”が後ろにいる。

そう考えると体を動かすことさえできなかった。



席についてから、新しい担任の教師が教室に入ってくるまでの時間が随分と長く感じられた。

やっと教室にきた担任が、今日1日の日程や自分の名前を書いて自己紹介している。

だが、その声はナルトの頭にまったく入ってこなかった。



どうしても、意識が背中に集中してしまうのだ。

ドクンドクンと鳴る心臓の音が耳に響く。



あぁ、うちはサスケは今、前を向いて教師の話を聞いているのだろうか。

それなら、その漆黒の瞳の端には自分が映っているかもしれない。



普段なら、教師の話を黙って聞くなんて耐えられなくて机に突っ伏している。

それなのに、後ろにサスケがいるとなると、姿勢を正して聞いている体勢を取ってしまう。



ドキドキともんもんが同時に押し寄せるなんて、なんとも言い難い感情だ。

ただ分かるのは、この感情が非常に厄介なものだということ。



このままのペースで心臓が動いていれば、いつか壊れてしまうのではないかと思うほど、激しく動く。

座っているだけなのに、段々と息が苦しくなってきた。



そのとき、背中に何かが触れる感覚がした。

意識を集中していたためにビクリと肩がゆれる、だって何かが触れるなんて思っても見なかったのだから。

だが、集中していたからこそ、今のを勘違いにすることはできなかった。



(も、もしかして、うううちはサスケェ・・・?!)



恐る恐る後ろを振り返ってみれば、そこにあるのは、去年1年間見守り続けたサスケの無表情。

どこをどう見ても真面目に教師の話をを聞いている。

自分の勘違いかと、恥ずかしくなって前を向こうとしたとき、サスケが口を開いた。



「お前、姿勢よすぎ。黒板みえねぇ」



教師が話しているためか、その声は小さかったが、サスケに集中していたナルトにははっきりと届いた。



サスケの言葉をきいて、その意味することを理解すると、その指摘に頬がカッと熱くなる。



少しでもサスケに自分をよく見せようとしたことが、サスケの邪魔になってしまうなんて。

自分の独りよがりに恥ずかしくなる。

これこそ、いたたまれない。

今すぐに教室から出て行きたい、それよりサスケの視界から出て行きたくなった。

だが、それが叶わぬことと知っている。



羞恥にそまり俯きながら「ご、ごめんっ」と呟いた。

とてもじゃないがサスケの顔なんて見れそうもない。



恥ずかしい失敗が、緊張で固まっていた心をどん底に落とした。



(ああもうッ!!なんで背筋なんで伸ばしてたんだってば!!アタシってば本当にばかだ!)

嘆きが止まらない。

(これはもしかしたら、サスケにちょっとでも自分をよく見せようとしたアタシに対する罰なのかも・・・。)



ますます落ち込む心を止めるブレーキはない。



だが、ふと気が付いた。

黒板が見れなかった間、彼の視線が注がれていたのは、もしかしなくとも自分の背中ではないのだろうか!



そう気が付くと、顔に血が走るのがわかる。

頬が熱いのは誤魔化しようがなかった。

ナルトは俯けていた顔を隠すように、しなしなと机に突っ伏した。



腕で隠しきれなかった耳が真っ赤になっていたことに気が付いたサスケが、嬉しそうに笑っていたことをナルトは知らない。





END





りんごのほっぺ みそさんに捧げます!

相互記念ということで、こんな拙作ですがもらっていただけると嬉しいです。



リクエストの『高2か中2パロで1年の時に気になっていたサスケと一緒のクラスになってモダモダするナルトちゃん』

に沿えたかどうかはよく分かりませんが、なかなか難しかったです!!

というか、サスケの登場が半端なく少なくなってしまいorz

最後のあたりから、実はサスケもナルトが気になっている―・・・ということをなんとなく感じ取っていただければ、嬉しいです。

今回のナルトには小学校の頃に男性に触られた、だから男が苦手という裏設定があるのですが、この話を書いている途中、ナルトがサスケに落ちちゃったシーンが浮かんできたので、いつかそれも書ければいいなぁと思います!



みそさん、こんなサイトですがこれからもよろしくお願いします!!



2012.4.27 しゅせ


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と言うことで、Excellentのしゅせさんから、相互記念に頂きました\(^o^)/

綴り違ったらごめんなさい〜(>_<)

ナルトの片恋好きな私がまたやらかしたと言うね(^q^)

もうドツボー///////
最後にサスケが笑ってるのなんかほんとにたまんないよハァハァしちゃうようへへ←

裏設定と続きがきになってしょうがないみそは、しゅせさんに焦らしプレイをされたと言うことでよろしいでしょうか(笑)←

相互なんて滅多にないので、本当に本当に嬉しいです\(^//o//^)/

しゅせさんありがとうございました!
私もリクエスト頑張ります(^q^)←

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