一生馬鹿(サス←ナル←サイ)突発文再録
「何寝ぼけたことを言っているんだい。」
噛みきったみたいだった。咥内で鉄の味が広がる。
「ってえな……。何するんだってばよ。」
「何。何してるのはキミの方でしょ。」
殴られた頬がジンジンと痛む。ついでに、物凄い形相で睨めつけられる視線も痛い。
「里を捨て、仲間を裏切り、果ては木ノ葉を狙う。……そんな人間を、キミはまだ仲間と呼ぶのかい。」
言葉の端々が痛い。以前にも同じような事を言われた。しかし、その時よりも、彼の言葉が胸に痛い。それでも、
「ああ。サスケはオレの…オレ達の仲、」
「バカかいキミは。」
何を言っても一蹴される。
前にもあった。こんなこと。
「バカだよキミは。」
「……。」
その時オレは、バカでもいい、そう思った。
そう。今でもそれは変わらない。
賢いことがそう言うことなら、オレは一生バカでいい。
「里も、彼も、守ろうなんて、そんなこと……。」
「できる。」
これで、この問答も何回目になるだろうか。
「アイツはこのオレを木ノ葉の忍として認めたてくれた一人だ。」
いつも同じ。
同じように反対される。
「アイツが……サスケがいてくれたから、オレはココまで来れたんだ。」
現実を見ろ。
どちらもなんてできっこない。
諦めろ。
だけど、
「だから、今度は、今度こそ、オレがサスケのことを認めてやるんだ。認めて、サスケが帰って来られる場所を作ってやるんだ!」
待ってろ、サスケ……!
「……。キミって本当にサスケ君のことが好きなんだね。」
「あ?なんか言ったってば。」
「いいや。……。」
サイは、少し間を置いてから、くすりと笑って、
キミが言うと、あり得ない現実も本当に叶うんじゃないかって本当に思えてくるよ。
そう言って、
「ボクだったらキミにそんな辛い思いはさせないのにな。」
周囲のどよめきを呼んだのであった。
(な、何言ってんだサイッ!)
(え?ボクはそのままのことを言っただけだけど。)
fin.
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