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さよなら。いつかまたきっと。(現パロ)

「えー、今日は残念なお知らせがある。もー知ってるヤツもいると思うがー、うちはサスケがー昨日限りで、転校する事にーなった。本人の意向でお別れ会とかそーいった類いのことは……」

意味がわからなかった。
テンコウ?サスケが?

昨日も一緒に遊んだハズなのに……。オレってば、何にも聞いてないし、サヨナラも言ってない。急に視界が狭くなって、ざわめく教室も間の抜けた先生の声も、何も聞こえなくなった。

サスケはどこ行くのだろうとか、なんで何も言わなかったんだとか、頭の中が忙しく動いている気がしたけど、心はぽっかり、穴が空いたみたいだった。

「まぁ、向かうのは今日の午前中だとか行ってたから、今頃荷造りでもしてる頃だろう…ってナルトォ!人の話は最後まで聞けぇ。」

「直ぐ戻ってくるってばー!!!」

考えるより先に体が動いた。まだ、サスケがいる。そう考えただけでじっとなんかしてらんなくなった。

「サスケェーッ!」















呼ばれた声にハッとした。下で母が呼んでいた。家の中は全ての荷物がなくなっていて、今まで慣れ親しんできた自分の部屋が他人のように思えた。こうしてモノがなくなれば、温かい気持ちも消えてしまうのだろうか。

「そろそろ行くわよ。車に乗って。」

我が家に名残惜しさの感じられない母に、父に、兄に、妙な不自然さを感じた。

「直ぐに行く。」

返事だけして再びガランとした空間を見る。

「サヨナラ。」

そう一言だけ告げて、オレはその場を立ち去った。



「何してたの、サスケ。」

「……別に。」

「別にって…もう、反抗期?」

そうやって、クスクス笑う母は何時もと何も変わらなかった。ただ、

「この家を離れると思うと少し寂しくなるわね。」

そう言って目を瞑った顔が美しいと思った。

「じゃあ出すぞ。」

エンジン音を立てて車が動き出した。















「サスケ、サスケー!」

届くはずのない叫びを何度となく繰り返した。

通い慣れた道。知ってる。知ってる。一昨年遊んだ公園。角を曲がれば空き地。お隣は、夏休み一緒に行こうと約束した雷さん家。あと少し。そこの赤い屋根の家を過ぎた所……!

「サスケェ!」

サスケの家の前から、車がエンジン音を立てて動き出した。

ラストスパート?
全神経を足へと注いだ。















窓を開けて風を通す。ぼうっと眺める外の景色も、もう見ることはないのかと思ったら胸がきゅとしまった。

「サスケ、窓閉めてくれないか。髪が乱れる。」

……どうせいつもひとつにまとめている癖に。しかし兄には逆らえないオレは、しぶしぶパワーウインドウのボタンを押す。

フと視界に映ったサイドミラー。見覚えのある小さな点が。

「            。」

息が詰まった。
閉めたばかりの窓を全開にした。















「……ナルトォー!」

気づいた!気づいてくれた!あのサスケが車の窓から身を乗り出している。

「サスケェー!」

あらん限りの力を振り絞って彼の名前を呼ぶ。

しかし、車は止まることなく、どんどん遠ざかってしまう。

待って!行かないで!行っちゃヤだってばよ!

気持ちばかり焦って体がついていかない。

「…夏……も……って……!た……ッ!」

遂に足がもつれてその場に倒れこんだ。それ以上前へは進めなくなった。顔を上げれば遠のく車。小さくなって、そのうち消えれば、取り残されたのは擦りむいた膝の感覚だけ。全身が麻痺して、動けない気がした。

「ナツ……。なつ?夏がなんだってばよ……ッ。」

最後の言葉は、よく聞こえなかった。
















「いいのか、サスケ。」
「ああ……。また会えるさ……。」














きっと。














どこかで。















fin?
‐‐‐‐‐
おかしいな。
なんで生き別れ。
やっぱりナルトがサスケを追うんだね。

この後はハッピーエンドになる予定です(脳内)。…読みたい方いたら拍手か〒でメッセ飛ばしてください(´∀`)←

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