青空のもと
パンッと晴れ渡る青空。所々に浮かぶ綿雲が気持ちいい。
「あひゃひゃひゃっ!」
その空に響くのは奇妙な笑い声。
「…サッスケ……てめェ!いきなり何しやがんだッ!」
男の子にしては幾分か甲高い声をした少年、ナルトは笑ったせいでひーひーと荒れた息を整えながら、先程までその原因となっていた――その癖、あたかもなんでもなかったかのように涼しい顔をして座っている――人物、サスケをキッと睨んだ。
「何って……くすぐり?」
自分で行ったにもかかわらず、のうのうと答えるとは何事かと憤るナルト。しかも、こちらが質問したはずなのに、それを更に疑問系で返されて、腹が立たない理由がない。
ましてや何の前触れもなく、突然くすぐられたのであれば、そんな理不尽なことはない。
「てんめェ!!意味もなく人のことくすぐるなってばよ!」
未だサスケに触られた箇所がむずかゆく、なんだかとてもイラっとするナルト。それに対するサスケもなぜか不機嫌にはなるが、言葉にはきちんと反論はする。
「意味が無いわけないだろう。」
まるで存外だとでも言わんばかりに当然の如くとナルトを見つめる。
まさか、その突然の行為に理由があるとは思いもよらなかったナルトは、更に意味を問いただす。
「じゃあその意味ってなんだってばよ。」
すると、なんともばつが悪そうな顔をして、渋ったようにサスケは言った。
「何か厭らしいことにならな…」
言い終わる前に、言葉が消えた。
綿雲の浮かぶ青々しい空に、低くて鈍い音が響いた。
fin.
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