ついてでた息(現パロ)
窓越しに映る景色はくすんでいた。水分を多く含んだ空は泣き出しそうで、早く泣けとか適当に思った。
ガタゴトとおきる微妙な振動は、寝不足なオレを浅い眠りへと誘う。
『…のは……前……木ノ葉学園前〜お降りの方は…』
呼ばれた駅名にハッとした。覚醒。プラットホームに飛び出す。朝から嫌な夢を見た。これから学校だと言うのに全くもって憂鬱だ。
鞄の底に埋まっている定期をほじくりだして改札を抜ける。
「よォ。」
見たくもない顔。当然の如く待ち合わせるキミにどうしても目眩がして。気持ち悪くて吐き気がした。肩を並べるのも嫌で、間に鞄を挟んでみた。そうして空いた少しの隙間に、呼吸が出来て、胸に酸素をたらふく入れた。
吐いた息が白かったなんて有り得なくて。有り得ない現実に、今度は、思いきり吐く為に息を吸い込んだ。
吐いてしまえば楽だった。
吐いてしまえば、こんな気持ち、どこかに吹き飛んでしまうのに。
それでも何も言わないオレに、
「幸せが逃げるぞ。」
なんてたわけたこといいやがって。一体、誰のせいだと思ってるんだ。そう叫んでやりたいのは秘密にした。
Fin.
‐‐‐
あとがき
これでも一応好きなんですよ。
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