虹のふもとの夢(甘?) 「虹のふもとには宝が眠ってるんだってさ!」 さっきまで降り続いてた雨が止んだ。サッと差し込んだ光が水分を多く含んだ大気中で反射し合い、七色を写し出した。 それを見つけるや否や顔をパッと輝かせ、大きな瞳をさらに大きくして、金髪碧眼の彼は言った。 「宝ってどんな宝だと思う?」 その眩しすぎる光に目を細めながら、 「さぁな。」 興味なく適当にあしらうと案の定、つまんねーヤツとのお返事をいただいた。 「そんなもん、見つける前に消えちまうだろ。」 それがオレの答えだった。 どうせ夢なら、叶うはずもない。願うだけ、無駄だ。 そんなことを考えてる暇があったら、少しは修行でもしろよなと思う。 そして、現実へ。 「バッカだなぁ。」 「あ?」 降りてきたきたみたいに言葉が聞こえた。 「消えるより早く見つければいいだけの話だろ。」 空にまたがる大きな虹は、更に輝く太陽に、一層彩りを濃くしていった。 Fin. ‐‐‐‐‐ そこには、夢を夢と思わない現実が存在した。 [*前へ][次へ#] [戻る] |