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06、 好き、なんです大好きなんです
※沖土 原作






本当に気に食わない。あんな可愛い顔して色気振りまいて。どうして俺だけのモノにならないのだろう。

何処かが少しだけ痛んだ。




「土方さん、見廻り行きやしょうよ」



「お、珍しいな。今日はやる気じゃねぇか」



「……まあねィ」



あんたと行けるからだよ。続きは胸の内に止どめておいた。二人で心地良い日差しの中を歩く。

今なら、聞いても構わないだろうか。



「…土方さん。あんたァ、旦那の事どう思ってますかィ?」




「は…?どう思ってるも何もねぇよ。」



「……そうですかィ」




じゃあ昨日のアレは何だったのだ。夜、屯所の前で。旦那が屯所まで送ってくれたのか何だか知らないけれど、楽しそうに話している二人を見た。何時もみたいに喧嘩している二人も、嫌だ。それはそれで見たくない。でも昨夜の光景はもっと見たくなかった。

旦那には、敵わない気がする。揺らがない強い芯。真似出来ない生き方に憬れる訳じゃないがすごいとは思う。そんな人と土方さんが一緒にいるのが嫌だった。




「土方さん」




「……どうした」




「俺…あんたの事好き、なんでさァ大好きでさァ…。……だから」



「……だから?」




「…あんま俺から離れねぇで下せぇ…」



「……ありがとうな」



照れくさそうに土方さんは笑った。何がありがとうなのか分からなかったし、ほほ笑みの真意も理解出来なかったけれど泣き顔を見られたくなかったので俯いていた。



「…総悟。その、俺もお前の事好きだからさ…あんま、離さないでくれよな…」



「…そんな事言うと本当に離しやせんよ」




「…望むところだ」




そんでもっかい土方さんは微笑んだ。その笑みが綺麗で綺麗で。嫉妬とか落ち込みとかジレンマとか全部どっかへ拭き飛んでった。





なんて素敵な俺の恋人。








あきゅろす。
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