私利私欲*
※銀土前提沖土 原作
いつにもまして土方がひどいです(当サイト比 それでもOKな方は画面をスクロール!
最初は、土方さんの為だった。土方さんが誘うからするだけで、俺がシたい訳じゃない。自分にそう言い聞かせておきながらその理性をぶっちぎって自分の為に土方さんとヤりだしたのは何時からだろう。そんなのは覚えてもいない程前の事で、それは、それだけ俺にとって最高に無駄な時間を過ごしたということを示していた。
「なあ、総悟」
「何ですかィ?」
「恋仲の奴とかいねぇの」
「……いたらあんたとなんかヤってやしませんよ」
そりゃそーだ、と土方さんは自嘲気味に笑った。泣きたかった。なんだよくそ、何が恋仲だ。いる訳ないだろう。物心ついた頃から俺にはあんただけなんだ。あんたが姉上を好きで、まだ陳腐な愛とやらを信じていたあんたを冷めた目で俺は見ていたよ。早く夢から醒めねえかなあ、なんて何時も思ってた。土方さんが俺のモノにならない現実なんて現実だと考えたくもない。俺が今生きているリアルは夢で、いつかこの夢から醒めたらきっと土方さんは俺の事………
なんて、それこそが夢物語。阿呆らしいにも程がある。あんたの心を手に入れるのなんてとうの昔に諦めたんだ。旦那みたいに無条件で待ってられるほど大人じゃない。あんたの心がどこにあるのかすら分からないのだから、気持ちを求めるだなんて馬鹿な真似もしない。ただ必要とされるのであれば、体、くらいどうってことはないのだ。それにこれは既にあんたの為なんかじゃなくなってるから。俺が、俺の為に土方さんとヤるのであって、決して土方さんに強制されているわけじゃない。ね、俺はこんなに聞き分けがいいでしょう。だから、ねぇ、お願い。
「あーあ、土方さんが俺だけのモンにならねぇかなぁ」
「………ばーか」
あんたがその濁った瞳に、何を映しているのかだけ教えて。それを知る為だったら何回でも腰を振るよ。真選組?近藤さん?姉上?それとももう何も映ってなんかいないのか?姉上を好きだと思っていた土方さんは何処に消えたの?
土方さんの心は何処にあるの?
知りたくて知りたくて堪らない。だから俺は、何度となく愛のないセックスを繰り返すのだ。
私利私欲
(もう、いいんだ)
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