恐怖体験
ヴォルデモートは一切目を逸らさずに、俺を見てくる。……どうしようか。何だか面倒くさい事になりそうだ。
「聖羅」
「ん?」
どうししたら目逸らしてくれるかな、なんて思案していると、急に祐喜に名前を呼ばれた。
いつの間にか、3人は俺の目の前にきていた。
「ヴォルデモートは…聖羅に興味を持ったらしいんだ」
ヴォルデモートが俺に…?何で……?首を傾げると、透が俯いてしまった。
「……ごめん」
透は何故か、小さな震える声で謝った。………………。
「何で謝るんだ?何にも悪い事ないだろ?むしろ、嬉しい事だらけだ」
「「「いやいや、どこが?」」」
あれ、クラスの人達にまでツッコまれたぞ。このクラスは息ピッタリだなぁ。って、そうじゃねぇや。
「だって、俺みたいな平凡な奴が。しかも、ハリポタの世界の言葉で言えば"マグル"の俺に興味を持ってくれたんだぜ?最高じゃねぇか!」
思わず、ニッと笑った。
だってそうだろ?ヴォルデモートが俺なんかに興味を持ったなんて、嬉しい限り。
「……闇の帝王だよ?」
透は何だか呆れたような、悲しそうな、そんな微妙な表情をして俺を見る。闇の帝王…そうだけど、やっぱり。
「嬉しいよ。闇の帝王とは言え、俺の大好きな小説の主要キャラだし」
それに、実はヴォルデモートって案外好きなんだよ。
そんな事を考えて居たから、突然の事に対応出来なかった。
《おい》
「「「「!」」」」
3人の後ろに、ご立腹の様子のヴォルデモートが立っていた。
恐怖体験
(どうしよう、幻覚が見える)
(ヴォルデモートの後ろに、どす黒オーラが見える…っ)
[*前へ][次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!