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liar girl
Conceal the truth

桜本 ほのか。

大阪の私立高校二年生。

部活は帰宅部で成績優秀。

特技はボードゲーム全般で、チェスは世界のジュニア大会で入賞してるほど。

一方、運動神経はあの一件から分かるように皆無だ。

好物は阪〇百貨店のイカ焼きとプチシュー。

因みにイカ焼きはイカの姿焼きではなく、モチモチした生地にイカの切り身が入っているやつらしい。

…あいつのイカ焼きへの愛は黒子のバニラシェイク並だった。

そして黙っていれば、緑間や森山系の美人な方でモテているだろう。

身長も女子にしては高い方だろうし。

取りあえず、ここまで言っといてあれだが何を言いたいかというと、あいつ俺並に口が悪い。

さっきも晩飯にカキフライ食べたいっていったら、伏せ字レベルの言葉とスタレンをされた。

っか、昨日も言ったけど本人のスタンプでスタレンすんな、撲殺すんぞ!!




Conceal the truth





勉強の息抜きに読んでいた“黒子のバスケ”も読み切って、改めて俺達が逆トリしてきたのを実感した。

あと、あいつがどれだけ好きなのかも何となくわかった気がする。

最初にあいつから渡された一冊はそれぞれが活躍しているのだった。

黒子だったら入学あたり。

黄瀬はIHの桐皇戦。

高尾はIH予選の誠凛戦。

そして俺はWCの洛山戦ってところだ。

偶然にしては出来過ぎでいるのだが、かといい適当に渡している感じだった。

本人に聞きたいところだが、どうせ“てきとー”てか言われるのが落ちだろう。

今は“黒子のバスケ”の横に並べてあったやつを読んでいるんだが、この主人公ダメダメ過ぎる…。

取りあえずきりの良いところまで読んで、隣で小説を読んでいる高尾の頭を掴む。


「痛い痛い!!宮地さん離して!」

「へぇー…先輩にどんな口の聞き方してんだ、埋めるぞ!!」

「すんません!離してください!!」


涙目で訴えてきたので素直に離してやる。

「うぅ…いきなり酷いですよ!俺なにもして無いじゃないですか!!」

「本読んでニヤニヤしてたから」

「んな殺生な!?宮地さんも読んだらわかりますよ!真ちゃんが標識とかガードレールを投げたりしてるかと思うと…………ブッ」

「……お前大丈夫か?これどう見ても緑間じゃねーだろ」

「いや、似てないんですけど真ちゃんなんですって!他には赤司が情報屋してたり、花宮が闇医者だったり!!」


そこまで言うなら…と少し読んでみると、確かに緑間じゃないけど緑間だった。


「そういや、黒子と黄瀬は?」

「2人は道子さんと買い物に行きましたよ」


マジか。

タイミング悪いな…。


「んじゃ、外に出れねーのか」

「どこか行きたかったんですか?」

「ストバス」


洛山戦を思い出したら無性にバスケがしたくなってきた。


「今日も夜に行く予定なんすけど…」


夜じゃ、唯一顔を合わせて話せる時間が無くなってしまう。

別に絶対というわけではないが、あいつのたまにする泣きそうな顔を見てるとほっとけなくなる。

あと、あいつ絶対俺達来てから寝てない。

昨日もフラフラしてたし。

今日こそはさっさと寝かせる。


「夜か…それじゃパス。勉強するから」

「その分今したらいいじゃないですか!」

「所々で休憩入れないと逆効果だろうが!」


今度は軽く頭を小突くてオーバーリアクションをされた。

元気になってきたのはいいけど、こいつが元気になるとウザい。


「あっ、おやつにシフォンケーキ置いてくれてるらしいんで、食べに下りません?」

「おぅ」


小さく鼻歌を歌いながら階段を下りる高尾を見てて、他のチームメイトが頭に浮かぶ。

帰り方はほのかが探してくれてるらしいけど、大坪達心配してるよなー…。

緑間もツンデレを発揮しながら人事を尽くしてくれてることだろう。

裕也もキャプテンになって早々、後輩(しかもレギュラー)がいなくてキレてそうだ。

そんなみんなの様子が目に浮かび、胸が少し締め付けられる。


「宮地さん!?」

「何だよ」

「ちょっと…!!えっと…!!」

「取りあえず落ち着け」


パニックになっている高尾の頭に手を乗せ、目線の先を追う。


「っ…!?ほのか!!」


階段下に力無く倒れているのを見つけて、焦りながら高尾を抜かして駆け寄った。


「おい!返事しろ!!」


肩を軽く揺さぶるが返事はなく、浅い呼吸を繰り返している。


「チッ…高尾!道子さんに連絡!その後、スポドリと水の入った洗面器とタオルを二階に持って来い!!」

「は、はい!!」

石化していた高尾に指示を飛ばして、ほのかの額に手を乗せる。

…ちょっと高いぐらいか。

だから、寝ろって言っただろうが。

取りあえず部屋に運ぶため膝裏と首裏に腕を入れて持ち上げる。

軽ッ!

ってか柔らかいし、いいにおい…。


「電話繋がりました!15分ぐらいで帰ってこれるらしいです!!」

「わかった!」


あぶねぇ…今は部屋に運ぶことだけを考えよう。

余り揺れないように慎重に二階まで上がる。

ハッキリと部屋を知らないがよく入っていく部屋は一つなので、そこのドアを背中で開けて入った。

電気もパソコンも付きっぱなしで、大方直ぐに部屋へ戻るつもりだったのだろう。

ベットに寝かせて、布団を掛けてると、高尾が上がってくる足音が聞こえてきて部屋の外まで受け取りに行く。


「サンキュ」

「いえ…スポドリ無かったんで買いに行ってきます」


言い終わると同時に俺らの部屋から帽子と財布を掴んで、音をたてずに走っていく。

その様子を確認してから、部屋のドアを閉める。

…これはあいつ等に見せられないな。

一つの棚に綺麗に整頓されて並べられている様々な小物。

こう見ると、キセキの奴らもいるが大半が秀徳。

詳しくは、秀徳10番が七割ぐらいを占めている。

なんか、“やっぱり”しか出てこないな。

『…………………秘密なのだよ』
で一瞬緑間かと思ったけど、そんなわかりやすく言ってくるわけないだろうし、あいつのアイコンが夕日をバックにチャリヤカーに乗っている2人だと気づいたときに確信した。

あの話、みゆみゆが家に来たら…ってやつは俺がこいつで、みゆみゆが―――高尾。

そう考えれば、二日目の地味に季節はずれなキムチ鍋の理由も分からないことはない。

ってか、なんでキムチ鍋はよくて、カキフライはダメなんだよ!!

小さく溜め息をつきながら、濡れタオルを額に置いてやる。

あー…。

あいつ等になんて言おう。


〜真実を隠す〜

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