空を見上げて 番外編
S.Tsunayoshi Buon Compleanno!! in2014
10月13日―――皆ご存知イタリア最強のヒットマン、リボーンの誕生日である。
無事に2歳(仮)になった彼には朝一でプレゼントを渡した。
「今度使わせてもらうぞ」と言っていたからその日が楽しみだ。
夕方には昨年行われたであろうものほどでは無いパーティーも行われたのだが…
うん。
思い出すのは止めよう。
記憶から今すぐ抹消だ。
まぁ、最後にはパーティーどころではなくなったとだけ言っておく。
なにがともあれ片付けも終わり、あとは寝るだけになった今、ツナと私はパーティーで潰れた時間にやる予定だったリボーンからの課題をやっている。
ツナは数学、私は何故か人間の神経について(どの辺を強く叩けばどこの神経が麻痺するかという類い)のレポートだ。
…レポートって大学生がしているイメージしかないのは私だけだろうか。
その課題を出した当の本人はかなり前から寝ていたみたいで、いつの間にか「スピースピー」と聞こえてきていた。
『あの鼻提灯割っていいよね…』
「……柚ちゃん?」
かなり小さめの声で呟いたつもり立ったのだが、ツナには聞こえていたみたいで首を捻ってくる。
何でもない。と笑いかけパソコンへと向き直った。
しかし、画面を見るとどうしても目に入る右下のアレを見て、慌ててツナを見る。
どうやら応用問題で手こずっているみたいだ。
『ツナ』
「ん、なに?」
『Buon Compleanno!』
その言葉と共に後ろに隠していた物を渡すと、一瞬分からなかったみたいだが、すぐに顔をほころばせた。
「ありがとう!!ってもう日付替わったということは12時過ぎてる…!?」
部屋の時計を見て溜め息をつくツナ。
「開けていい?」
『もちろん』
私が頷くのを確認してから慎重に包装紙を開けるその手つきは、まるで爆弾を解体いているようだ。
「これって、もしかして…」
プレゼントを見て、ビックリしたように呟くツナの手には白を基調といたマフラーがある。
端には赤で一本の横線と27の文字。
『そう、手袋とお揃い。初めてだったから思ったようにするのが大変だったし、マフラーの時期はまだだけど、実用性が有るものと思ってさ』
「編み物出来るんだ…凄いね。ホントにありがとう、柚ちゃん!大切に使うよ」
『そう言ってもらえると作った甲斐がある』
マフラーを抱きしめるツナに『こんな時に渡した私も悪いけど…課題の続きやろっか』と声を掛け、寝たのが2時。
そしてその日のうちにマフラーが壊れた(焦げたともいう)のを見て、つくづく誕生日に運がないツナだと思った。
〜END〜
「部屋で銃とか手榴弾を使うなって言ってるだろ!!?」
『まあまあ、冬までに作り直すから…』
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