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空を見上げて
標的16 その5

バジルの肩に掛かっていた力が緩んだ瞬間、地面を蹴ってまさにランボへと振りかざされそうだったパラボラを持っていた傘で受け止める。

これぐらいの衝撃なら、恭弥や兄貴の方が強いや。


「!?」

「柚ちゃん!!?」

「なにしてんだよ!?」

「貴様…!!」

「お待ち下さい、桐谷様!」


ゴメン。

待つ暇なんてない。

先手必勝とランボに当たらないように、レビィのあしを払いバランスを崩させる。

そして連続で横腹に蹴りを入れ、少し離れたところに移動した。


「ちょ!だから柚ちゃん!?」


ヴァリアーだから無理かもって思ったけど、蹴りが通じて良かった。

…背が高いからちょっと大変だったけど。


「……よくもやってくれたな」

『女だからって油断してる方が悪い』


ニヤリと笑って挑発しながら、次々と繰り出される攻撃を避ける。

うん…レビィが単純なアホでよかった。

他の幹部だったら詰んでたね。

余りにも長時間になると不利なので、クロスで来たパラボラを傘で弾き返し改めて離れようとするが、中々離れられない。


「柚!!」


そんな時、超ツナの声がしたと思うと、避雷針が倒れてきたので慌てて避ける。

もしかしなくても、もしかするのか。

…これなら大空のリングも無事だと思ったのに。


「…いくら大事だっていわれても…、ボンゴレリングだとか…次期ボスの座だとか…そんなもののためにオレは戦えない」

「!!」

「!!」

「!!」

「でも……友達が……仲間が傷つくのはイヤなんだ!!!」


……本当、そのまますぎだよツナ。


「ほざくな」


ドコからともなく聞こえてきたXANXUSの声を合図にツナに抱きつくような形で押し倒す。


『っ……』

「十代目!桐谷!」

「柚!ツナ!」

「く…うう…柚ちゃん?」


全部は避けきれず風圧で数m飛ばされ、ツナの上に覆い被さってしまう。


『ゴ、ゴメン…』


慌ててツナの上からどけ立ち上がるのに手を貸す。

「だ、大丈夫だよ!!けどあれって…………XANXUS!!!」


一瞬震えたが、すぐに力強く手が握られるのが分かる。

…って、あれ?

手繋いだままじゃん!!?


「本気でオレを倒して後継者になれると思ってんのか?」

「そんなことは思ってないよ…。オレはただ……!この戦いで仲間を誰一人失いたくないんだ!!」




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