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空を見上げて
標的17 その2

ちゃぶ台に向かい合わせで座り、何処からか出てきたお茶を飲み喉を潤す。


「取りあえず、心配して下さって有り難う御座います。あと、この世界ではあなたの心の声はダダ漏れですので悪しからず。…パイナッポーヘアーで何が悪いんですか」

『いや、ゴメン。けどパイナップルをみる度、笑いを誘うのが悪い』

「やっぱりそう思ってたんですね…」


はぁ…とため息を付く骸。

そんなにパイナッポーって言われるの嫌いなのか。

というか、


『嘘…?』

「逆にどう考えたらそう思えるんですか。僕の心の声は聞こえてないでしょう?」

『そうだけど…骸ならありえそうじゃん』

「確かに読心術はできますが、“来訪者”相手には無理ですよ」


あっ…そうだよ、来訪者。

ヴァリアーも知ってたし、知っててもおかしくないのかな?


『骸はなんで私が来訪者って知ってるの?』

「何でって…僕が“伝達者”だからですよ、原作がある異世界からの“来訪者”さん」

『えっ…』


伝達者…?

というか、原作って。


「この世界は“家庭教/師ヒットマ/ンRE/BORN!”という原作のパラレルワールドです。そして少しのズレと、あなた方のような原作ファンの思いから原作部分を繰り返してしまうようになりました。その無限ループから抜け出すために原作を知っている“来訪者”が無作為に連れてこられいますが、何百回と繰り返した今もまだ繰り返しています」


『ってちょっとストップ!!一気に情報が来ても追いつかないから!…まぁ、つまりここは原作のパラレルワールドで、“来訪者”は此処の無限ループを終わらすために居ると』

「つまりはそう言うことです。で、その繰り返された全ての記憶を持っているのが“伝達者”になります」


なるほど。

…ん?

来訪者はこの世界を訪ねて来た人。

つまり、伝達者は伝達する人…?


『ならさ、伝達者がループを終わらせたらいいんじゃ…』

「それが出来たら苦労しないってやつです。原作についてもほぼ全部知っていますが、その通りにしか行動出来ないんですよ。その代わりと言いますか、このように“来訪者”へ情報を伝えるのが仕事です」


だよね。

出来てたら何百回も繰り返さないか。


「あと、“伝達者”は僕を含め7人います」

『もしかして全員死ぬ気の炎の属性が違うとか?』

「いえ…同じ人も居ます。あと、3人は既に会ってますよ」

『骸を除いて?』

「はい」



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