空を見上げて
標的16 その4
さっきまでとは比べものにならないぐらいの威圧感を出しながら、ピンクの煙の中から20年後ランボが出てくる。
「やれやれ、この現象…夢でないとすれば、ずいぶん久しぶりに10年バズーカで過去へ来たようだ」
「ホントにアホ牛か…?」
「なんだかランボ…たのもしいよ…」
ツナ達がつい呟いた言葉が聞こえたらしく、ランボが此方を向く。
「あなた達にまた会えるとは…。それに柚さんもお元気そうで何よりです」
『えっ……!!?』
まじ、まって!!
なんで10年後は知らなかったのに、20年後は知ってるの!?
ついパニックになってしまったが、どうやら他の人も同じらしい。
「ちょっとランボどういうこと!?」
「…?」
ツナの言葉に一回何を言ってるのか分からないって顔をしたが、直ぐに理解したような顔になった。
「あぁ、それは……」
「何をゴタゴタ話しているのだ!!」
ランボが一番重要なところを言おうとした瞬間、レビィがまたもやレビィ・ボルタの攻撃準備…つまりパラボラを開いた。
「やばい!!またあの技だ!」
ちょうどいいタイミングで…。
最悪。
顔をしかめていると少し袖を引っ張られ、後ろに下がる。
誰かと思い振り返るとバジルだった。
「桐谷殿はもう少しお下がり下さい」
『大丈夫。フィールドの近くまでは行かないから』
「本当ですか…?」
昨日の一件があるため、凄い心配をされたが、昨日のは了平の火傷を見てからヤバいなって思ってやったことだし。
さらにはあまり意味なかったし。
「とりあえず、拙者と同じくらいまで下がって下さい」
『はーい…』
渋々下がると同時にランボがサンダーセットをして走り出したところだった。
お願いだから、今のランボに戻る前に決着をつけて…!
そんな願いは虚しく散り、子供ランボが高圧電流を受ける。
『ランボっ!!』
つい前に出ようとするとバジルに肩を持たれ、止められる。
「まて、手を出せば失格になるぞ」
「!!」
「!!」
「!!」
「その通りです。守護者がこのエレットゥリコ・サーキットに一歩でも足を踏み入れれば」
「失格とみなし、リングを没収します」
「くっ…!」
「くそっ!」
……そっか。
守護者がか。
そう思い気づいたらツナに貸してもらってたタオルを、バジルの視界を奪うようにして投げていた。
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