空を見上げて
標的12 その3
「なに、乙女みたいなことしてんだ。キメーぞ」
「ぶっ!!?」
うわ…さっきの所にその蹴りは痛いよ。
『聞いてた?っか絶対聞いてたよね!』
「聞こえてきただけだから気にするな。まぁ、俺が言いたいことは全部柚に取られたみたいだな」
「…俺でいいの?」
「当たり前のことを聞くな。お前だからこそだ」
リボーンの言葉にあからさま安心するツナ。
…聞きようによってはアッチ系に聞こえるや。
というかツナ、女の私より可愛くないか?
「ほら、勉強を続けるぞ。ツナはオレが教えるから、柚は横でこれやっとけ」
ツナのプリントを手にとろうとしたら代わりに、プリントの束とオレンジ色の電子辞書を渡された。
プリントをめくってみるとアルファベットは並んでいるがどうやら英語ではなさそうだ。
『これ何語?』
「イタリア語だ」
「イタリア語!?」
『やっぱり…。少しは見たことがあると思った』
「目標は1ヶ月で現地で戸惑うことなく会話出来るレベルだぞ」
「『レベル高っ!!?』」
Θ
見えてきた並中の校門横に金髪の彼が見え、少し汚れてきた靴を一瞬そろえてしまう。
向こうも此方に気づいたようで大きく手を振ってきた。
まだ予定より時間が早いものもあわてて駆け寄る。
『おはようございます、ディーノさん』
「おう、おはよう」
『……部下の方は』
確かロマーリオさんがついてきてるはずだ、と思っているとディーノさんの後ろから出てきた。
「嬢ちゃんは心配性だな」
『リボーンが言ってましたし、用心に越したことはないですよ』
言われてなくても用心はする。
私だってまだ死にた(以下略)
「余程リボーンの事を信頼してるな」
『それは色々助けて貰いましたし、信用出来ないことをされた覚えがないので』
理由が可愛くないのは自分が一番分かっている。
けど、これが私の信用するかどうかの判断だ。
「取り敢えず、応接室まで頼むぜ」
『はい』
こっちです。
と2人の前を歩き誘導する。
なぜ私が朝っぱらからバスガイドのお姉さん紛いのことをしているかというと、ちゃんと差ほど深くない理由がある。
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