空を見上げて
標的10 その2
するとそれが効いたのか顔色が良くなってきた。
試しに脈を測り直すと100を切っている。
前髪を掬うように撫でると小声で「ありがとう」と聞こえた。
「よかった…」
「はい」
安堵のため息をつく2人とリボーンが見守る中、フゥ太が寝るまで私は頭を撫で続けた。
Θ
『染みるかもしれないけど、じっとしててねー』
そう言いながら片手の手で腕を固定し、もう片方の手で消毒液を染み込ませた綿で傷口をキレイにする。
「痛っ…」
顔をしかめるツナに素早く絆創膏を貼る作業を何回も繰り返す。
『よしっ。終了』
「はぁ…ありがとう柚ちゃん」
『いえいえ。それより打撲の方がヒドいし多いから、湿布も貼るよ』
「うん」
ツナの腕をとり打撲部分を改めて見る。
うわ…もう紫色になってるし。
湿布をちょうどいい大きさに切って貼っていく。
先ほど、ツナが帰ってきたと思ったら怪我を大量だった。
フゥ太で分かっていたので直ぐに部屋に行き怪我の治療中…だと言うわけだ。
「そういえば…怪我の理由を聴かないの?」
『聴かなくてもトンファーの型がチラホラ見えるから嫌でも分かるよ…』
「た、確かに…」
苦笑いしながら答えると、案の定頬をひきつらせるツナ。
「情けねーな」
「いや、あの雲雀さん相手だよ!?」
「言い訳すんな。このダメツナが」
横で座っていたリボーンの愛(?)の蹴りが綺麗にツナの頬に決まる。
本物はホントに痛そう…。
あそこにも湿布を貼らないと。
そう思い、新しい湿布の袋を開けていると不意にリボーンが口を開いた。
「柚、今日からどこで寝るんだ?」
直視しないようにしていたことを言われ一瞬手が止まるが、再び作業を続けながら考える。
確かにツナの部屋で泊まらしてもらっていたからどうするのだろうとは思っていた。
このまま夢小説お決まりの一緒の部屋だけは避けたいのが本音だ。
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